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測定器と工具



ノギス
精密な寸法測定器の代表はノギスです。現在では、デジタルノギスが主流になっていますが、機械式ノギスが100分の
5mmまで精密に寸法が測れるのは、実に驚きです。その原理は、広範囲に応用することができる筈です。

Aの部分で測定したいものを挟んで測ったり、Bの部分で隙間の寸法を測ったり、Cの部分で穴などの深さを測ることが
できます。Bの部分は先端が尖っていて、ノギスを落としたりすると変形してしまいますから要注意です。


ノギスのメモリは、正尺と副尺の二つを合わせて見ることで、0.05mmの単位まで読み取ることができます。
まずミリ単位の寸法は、副尺の「0」のメモリが指す正尺のメモリを見ます。下の例では引出し線1が示すメモリです。
つまり、1.?mmですが、これ以下の細かい寸法は正尺だけでは読み取れません。
次に、副尺のメモリと正尺のメモリが一致している場所を探します。例では、2の位置です。ここの副尺のメモリは 7 です。
つまり、正しい寸法は、正尺と副尺の寸法を合わせて、 1.7mm であることがわかります。
副尺の数値と数値の中間にもメモリがありますから、0.05mmまで読むことができる訳です。






◆マイクロメーター
マイクロメーターの基本原理はノギスと同じですが、直動式ではなく、ネジ式の回転スケールにより、
100分の1mm単位の寸法を測ることができます。

下図では5円硬貨の厚みを測っている例ですが、測定物を挟む面は大切ですから、測定した後は、面に埃などが
入らないように密着させておきます。
測定する時は被測定物を一定の圧力で挟むためにラチェットストップ部分を回します。
ラチェットストップの1回転の周囲には0〜50のメモリが刻んであります。メモリひとつはマイクロメーターにも表示して
ありますが、0.01mmです。つまり、ラチェットストップを1回転すると、マイクロメーターは0.01×50=0.5mm動きます。
ところで、正尺メモリの部分を見ると、ちょうど0.5mm毎にメモリがあります。つまり、マイクロメーターは、正尺メモリと
副尺メモリを足し合わせて読めば、正しい値が判るようになっています。

例では正尺メモリは1.5mmのメモリまで見えています。
次に副尺メモリを見ます。副尺メモリは 7 を指しています。つまり 0.07mm です。
合わせた寸法は 1.57mm となります。






◆ゲージ
下図上: テンションゲージ
   力を測定するゲージです。適正な圧力や力を測る時に必要な、一種のバネ計りです。
   右側はフックになっていて、引っ張り力を測る部分、左側で押して圧力を測ります。
   フルスケールで50gF〜10kgF程度まで、何種類かのゲージがありますが、どれもかなりの価格です。

下図下: アングルゲージ
   測定物にあてがい、角度を測ります






工具1

下図上: ベアリングプーラー
  軸に少しキズがあったりすると、ボールベアリングを抜くのが困難になってしまします。
  ベアリングプーラーの顎にベアリングの外輪を架けて、軸端をプーラーのネジ先端で押し出すように回して抜き取ります。

下図中: ラチェットレンチ
  ドライバーが入らない狭い場所のネジを回すことができます。回す方向を切り替えることができます。

下図右: スタビドライバー
  特別に短いドライバーです。





工具2

下図上: 笹葉
  正式な工具を売っている訳ではありません。写真はヤスリをグラインダーにかけて自作した”ササッパ”です。
  この工具はドリルで穴加工した際にできるバリなどを取るための工具です。

下図上から2番目: スプリングフック
  スプリングを架けたり、外したりするときに使います。

下図上から3番目: センターポンチ
  ドリルで穴を穿ける時の目印をつけるために、センターポンチをハンマーで打ちます。
  なお、押し込んでいくとカチッと衝撃でポンチが打てるオートポンチもあります。

下図上から4番目: ピン抜き
  ロールピンを抜く時に使います。2mm用と3mm用があります。





工具3

下図上: ニッパー
  ニッパーはありふれた工具ですが、用途に合わせたニッパーを使うことが大切です。
  下図上のニッパーは線径が0.1〜1mm程度のピアノ線を切断するのに適した、やや大型のニッパーです。
  銅線切りニッパーを使ったりすると、1回で刃が破損してしまいますが、このクラスのニッパーならOKです。

下図上から2番目: ニッパー
  LINDSTROMのニッパーです。スウェーデン鋼の刃こぼれしにくいニッパーです。


下図上から3番目: ハンドソー
  工具箱に収納しやすいハンドソーです。刃はステンレス用を使うと丈夫です。






◆工具4

下図上: TOKOMAの貫通ドライバー
  貫通プラスドライバー クロームバナジウム鋼 
  貫通ドライバーはドライバー軸の金属が、尻の部分まで貫通しているドライバーです。ネジ頭をなめてしまった場合などに
  ハンマーで叩いて強制的にネジを回すことができます。写真のトーコマ(本社兵庫県)製ドライバーは先端の+が異形で、
  食い込み易い形状になっている優れものです(同社は平成27年倒産、再開が望まれます)

下図上から2番目〜5番目: PB(スイス)のドライバー
  スイス製PBのドライバーはやや高価ですが、優れたドライバーが揃っています。
  先端のチップはクロームバナジウム鋼です。
  特に、マイナスドライバーは、すぐ曲がってしまったりしますが、PBの先端は過酷な使用にも耐えます。





下は Wera(ドイツ) の Lasertip 先端に食いつき溝があるためネジがスリップしにくい。
ただし、通常使用すると摩耗しやすいため、取り外しが困難な場に限定した方が無難。





インパクトドライバー
 少量生産なら手締めドライバーで十分ですが、数が多かったり、木工組立のように締め付け
 トルクが要求される場合は電動ドライバーがあると助かります。
 下のインパクトドライバーは、日立工機の正逆変速、ビット交換でドリルにも。
 新品は結構な値段ですが、一昔前の純国産品は耐久性があるため数100円の中古品でも
 十分実用になります。なお、インパクトドライバーはモーターとビットが直結ではなく、大負荷が
 掛かると連結が断続して、衝撃トルクを発生する構造のドライバー。




◆工具5

下図上: 小型組スパナ

下図上から2番目: ボールLレンチ
   先端が球形になっているレンチは、真上からでなく、少々斜めからでもセットスクリューやキャップスクリューを
   回すことができます。ただし、あまり強いトルクを加えるとネジ穴が崩れる危険性があります。

下図上から3番目: Cリングプライヤー
  Cリングやグリップリングを脱着するときに必要な工具です。リングのサイズに合わせて2,3種類の工具が必要です。





エイトの六角レンチ



六角レンチはニッパーと共に、最も過酷に使われる工具のひとつ。どこのホームセンターでも売られているが、ほとんどの
レンチは暫く使うと先端の角が落ちてしまい駄目になってしまいます。スイス製のPBも例外ではありません。
そんな中、大阪の六角レンチ専門メーカーのエイトの製品は別格。
ただし価格も別格、1本分で他のレンチなら10本は買える。
写真の品は1.5/2/2.5/3mm  カラーバンドでサイズの判別ができる。





工具6

下図上: 組み込み時計ドライバー
  時計ドライバーは小さいため、紛失しがちですが、軸の中に収納できるこのドライバーは便利です。
  安物のマイナスドライバー先端はすぐ曲がってしまうので、少々高価でも良いものを選ぶことが大切です。

下図上から2番目: 電工工具
  カッター、ピン圧着、ネジ切り、キャップかしめ、ワイヤーストリッパー、平つぶし

下図上から3番目: 単芯線ストリッパー
  試作基板の組立てなどの使う単芯線(0.25mm)専用のストリッパーです。線を穴に入れて挟んで引き抜くだけです。

下図上から4番目: 精密ニッパー
  電子部品のリード切り専用です。







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