操作と表示方法

◆操作と表示方法をどうするかは機器を開発する上でとても重要な項目です。

基本は以下の3点です。
 (A) 使う頻度の高い重要な操作スイッチと表示は独立して設けるが、その個数は最小限とする。
 (B) それ以外はメニュー項目を選択してから、各項目ごとに操作および表示する。
 (C) 障害の危険性がある操作はユーザーが操作し難いようにする。


LCD(16桁2行)+メニュー選択キー+専用ファンクションキー
 を使う表示操作部



◆LCD表示器:
  L1: 装置状態、操作中の項目
    例) ”WAIT””READY””ERROR””SENSOR DATA””TEST**” など
  L2: 補助データ (設定されているデータ、編集データなど)
    例) エラー番号、設定値 など

◆メニュー選択スイッチ
  YSW: Yesを指示します。
  RSW:表示中の項目を進めます。
      設定番号を表示中なら番号を大きく、設定数値を表示中なら値を増加します。
  LSW:表示中の項目を後退します。
      設定番号を表示中なら番号を小さく、設定数値を表示中なら値を減少します。

◆ファンクション・キー
  専用のスイッチです。上例ではFSW1とFSW2です。
    例)  ”ON-LINE/OFF-LINE” ”START/STOP” ”RESET” ”POWER” ”REC”  など


◆運用操作
<ファンクション・スイッチ操作>
運用操作で最も頻繁に使うキースイッチ類は上例のFSW1やFSW2のように独立して配置します。テレビ受信機なら、音量ボリュームとチャンネル変更ボタンがこれに当たります。

ミュージックプレーヤーの場合は、再生、停止、送り、戻しなどのボタンです。
ファンクション・スイッチは頻繁に使うスイッチ類に限定することが重要です。

<メニュー操作>
 メニュー別にデータを編集したり、動作モードの設定を変更したりする操作をメニュー操作といいます。
 上例の場合、LSWまたはRSWを押すと、そのステージの項目を順次LCDのL1に表示させ、目的の項目が
 表示されたらYSWを押します。
 ステージが複数層ある場合は同様に操作して、より下層のレベルに入ります。
 値を選択する最下層のステージでは、L2に現在の設定データを表示させ、RSWとLSWで設定値を増減し、
 YSWで確定します。

 なお、項目選択ステージでは必要に応じて、”RET””CLR” などの項目を設け、前のステージに戻る機能
 や、データを削除する項目を入れます。また最終項目でYSWが押された場合は変更した設定値を上書きする
 と共に、最も浅いステージに戻ります。

◆保守操作
保守操作はユーザーではなく機器のメンテナンス担当者が操作するものです。
「LSWとRSWを押しながら電源を投入し、3秒以上経過してからスイッチを離す」などの操作で保守モードに入るようにします。

<保守モードの例>
 センサーチェック: 各センサーの入力値をLCD表示。アクティブ信号の記号をLCDの定位置に表示
 センサー感度設定: 感度設定できるセンサーの感度レベルを設定
 出力テスト: 各出力のON/OFFテスト
 動作テスト: 各ユニットや装置全体をテストデータを使用して動作
 デフォルト実行: 出荷時の設定に戻す
 エラー履歴表示: エラーの記録を表示
 エラー履歴クリヤ: エラー記録を消去
 装置動作: 装置の動作を指定する設定値の変更
 版数表示: プログラムバージョンの表示
 エージング: 出荷前のエージング実行
 
◆ユーザー保守操作
保守操作は基本的には専任保守者のみが実行しますが、電話によるコールセンターでの対応もある程度可能と考えられます。例えば、紙詰まり箇所を判断するために用紙センサーの状況を調べたり、詳細なエラー番号を調べることで、返送または出張修理をせずに、電話で対応することも可能です。

このため、立ち上げが比較的容易な「ユーザー保守モード」を用意することは有効な対策になります。


最もシンプルな表示操作

最もシンプルな表示操作パネルは、一つのLEDと一つのプッシュスイッチで構成できます。
機能設定やテスト用に使うことができます。

スイッチによる操作
 決定 → 長押し
 次へ → 短押し
(長押しは2秒以上、短押しは1秒以下)

LED表示
 点滅回数で数値を表現、ただし0は長点灯

  下例で  は短点灯  は長点灯
例)
 4  → ●●●●
 2503 → ●●  ●●●●●   ●●●

点滅の時間間隔は
 は、0.1秒点灯、0.4秒消灯
 は、0.4秒点灯、0.1秒消灯
 桁間の区切りは、1.5秒の消灯
 全桁表示終了で消灯



例えば、スイッチを長押しながら保守モードに入り、
短押しでテスト番号を進め、実行するテスト番号が表示されたら長押しで実効します。
短押しで、同テスト再開、長押しでテスト番号表示



   


◆表示を考える
以下は「情報通信ネットワーク産業協会(デザイン委員会)から公表されている通信機器の表示用図記号です。










◆馴染めない図記号/優れた図記号
デザイン界の権威に歯向かうようで肩身が狭いのですが、どうしても馴染めない記号が幾つかあります。

I   電源スイッチのマーク。は、どう見てもバツ・マルのマル。
 それにこのマーク、どっちが上か分かりません。
 - のように見えますが、と似ているだけに、これは禁止、OFFを連想します。
 論理学の 1と0 から来ているみたいですが、ON-OFFの方が遥かにマシです。

他にも、
104:電源入/切  106:準備完了  301:スタート  302:ストップ  303:登録 
なども頂けません。



  エレベーターの開閉ボタン。 ドアの動きを示す矢印でしょうが、直感的には
 左は閉じて、右は開いたドアに見えてしまいます(私だけかもしれませんが?)
 三角でなく、しっかりと →← ←→ と描くか、
 のようにした方が、まだマシと思うのですが。



 
非常口マーク、日本人デザイナーの作と聞いたことがありますが、傑作中の傑作。光明が射す方角へ逃げ出す心理が足元の影に映されているようです。ここまですばらしいデザインとは行かずとも、少しはあやかりたいものです。







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