電子部品とセンサー


電子部品
現在、大量生産される電子部品は表面実装型のチップ部品が主力になってきていますが、写真では従来からのリード線タイプの部品を中心に紹介します。チップ部品がコスト的に有利になるのは、基板ロット数が50〜100以上の場合です。


抵抗 コンデンサ


1.セメント抵抗  2〜20W 巻き線型はパルス耐性良
2.酸化金属皮膜抵抗 (サンキン) 0.5〜5W 難燃性
3.カーボン抵抗 1/2、1/4、1/6 W 、安価
4.集合抵抗    複数抵抗、独立抵抗型と片端子がコモン型
5.半固定ボリューム 抵抗値可変
6.電解コンデンサ (ケミコン) 大容量、極性あり 
7.セラミックコンデンサ  高周波特性良だが温度特性低
8.マイラ・コンデンサ  容量の安定性良


抵抗に電流が流れると両端には電圧が発生しますがその関係式は最も頻繁に使う公式のひとつです。 
  電圧(V) = 電流(A) × 抵抗値(Ω)
 これを書き換えると、
  電流(A) = 電圧(V) ÷ 抵抗値(Ω)
  抵抗値(Ω) = 電圧(V) ÷ 電流(A)

抵抗器に電流が流れると抵抗器には、 電力(W)=電圧(V) ×電流(A) の熱が発生します。

抵抗を使う主な目的は3つです。
1)回路に流れる電流を制限するため
  LEDに流れる電流が一定になるように、LEDに直列に入れる抵抗
  高電圧トランスの2次側の短絡電流、または最大電流を制限
  高インピーダンス回路の出力電圧が落ちないよう入れる
  など、
2)電流が流れる回路に入れて、両端に発生する電圧を利用するため
  ステッピングモーターの電流路に入れ、コンパレーター電圧を取り出す抵抗
  定電流回路に流れて電流値を検出するための抵抗
  など
3)発生する熱を利用するため
  電熱ヒーター




カーボン抵抗は炭素を使った、最も一般的な抵抗です。酸化金属の皮膜を使った酸化金属皮膜抵抗は発火する危険性がないため、安全性が求められる箇所に使われます。
ニクロム線などを抵抗体に使った巻き線型セメント抵抗は、大きなピーク電流にも強い特徴があります。
複数の抵抗を収めた集合抵抗は、ポートのプルアップ抵抗に適した共通端子型(奇数端子)と、差動回路など揃った特性が必要な回路に適した個別端子型(偶数端子)があります。

半固定抵抗器は値調整が必要となる回路に用いられます。カーボン抵抗膜に押し当てた摺動子の位置を変えることで、抵抗値を変化させることができます。端子は抵抗体両端と摺動子の計3本から出ています。
半固定ではなく、抵抗値を自由に変更できるのが可変抵抗器(ボリューム)ですが、原理的には同じです。
可変抵抗器にはA型とB型があり、B型は回転に伴い抵抗値も直線的に変化しますが、A型は指数関数的に変化するよう作られています。これは、音量ボリュームとして使った場合、A特性のほうが聴感上は音量変化がリニアに感じられるためです。
なお、可変抵抗器は操作頻度が高いため、抵抗体表面が損傷しやすく、トラブルの発生頻度が最も多い電子部品のひとつだったため、近年はプッシュスイッチで調整する方式にとって替わられつつあるようです。高級オーディオ機器では非接触で抵抗値を変える電子ボリュームが使われていますが、コスト的には不利です。

一定の電流が流れる抵抗の場合、定格ワット数の1/3以下で使うのが安全とされていますが、抵抗のタイプと製造メーカー、特に製造国によって耐久性はかなり異なっていて、数分間の使用で殆ど破損する劣悪なメーカー品もあれば、数十年使っても市場で全く問題を起こさないメーカー品もあります。海外製造が主流の近年では、定格ワット数の20%を超える発熱量で使ったり、ピーク電流が保障されていない抵抗器を使う場合は要注意です。


コンデンサは両端に電圧を加えると電流が流れ始め、中に電荷が蓄積され、電圧が上昇します。充電されたコンデンサを放電させると電流が流れ出し、電圧は減少します。単位はF(ファラッド)

電源回路に入れて、いわば電気の貯蔵庫として、電圧の変化を抑えるために使ったり、交流成分だけが流れる性質を利用したりします。容量の小さなコンデンサは空気やプラスチックフィルムを絶縁体に使用しますが、やや容量の大きなコンデンサは高誘電率のセラミックなどを使います。

電解コンデンサは、エッチングにより表面積を増大させたアルミ箔の表面を酸化して薄い絶縁層を作り、もう一方の極との間に電解液を浸透させた紙を挟み、電解液を実質上の電極にしたコンデンサです。極性があるため逆電圧ではつかえません。耐圧は10V,16V,25V,35V,50V,100Vなどが製造されていて、10〜20%程のマージンを取れば問題は無いとされていますが、問題は寿命で、他の一般的な電子部品に比べると短く、10〜15年を越えると、かなりの確率で障害が発生すると言われています。特に高温環境下での寿命は短かくなります。厄介なことには、高温環境下でなくても、数ヶ月もしないで問題を引き起こす事例もあるようです。

電界コンデンサが不良になると下写真のようにケースの膨張、液漏れ、破裂を伴うこともあり、装置全体にダメージを与えてしまいます。破裂まで至らず、わずかに頭頂部が膨れているだけでも回路の動作に悪影響を与えてしまっている場合もありますから、注意深く点検しないと見逃してしまう可能性があります。





セラミック・コンデンサは写真のように、茶色(稀に緑色)の小型円盤型です。1p〜0.1μがよく使われています。セラミックコンデンサは温度特性があまりよくないので、発振回路などには使わず、パスコンなどに使います。

積層セラミックコンンデンサ(積セラ)は、セラミックコンデンサを積み重ねた、小型大容量のコンデンサです。基板上の電源パターンの各所に入れて、電源電圧を安定化するためにも使われています。

マイラ・コンデンサは、マイラフィルムを絶縁フィルムとして巻いて作られています。0.001μ〜0.1μが一般的です。巻かれているので高周波特性は良くないのですが、正確な容量が得られるため、タイマーの時定数などには適しています。


ダイオード  LED   トランジスタ

1.発光ダイオード(LED 赤、青、黄、緑、白など)
2.ダイオード(小信号のスイッチング用)
3.ファストリカバリ・ダイオード(高速動作 外観は普通のダイオードと区別はありません)
4.ブリッジ・ダイオード(整流用)
5.トランジスタ (上下写真) (小電力用)
6. トランジスタ (中電力用 放熱フィン付き )
7. トランジスタ (やや大電力用 放熱フィン付き )

上の部品は代表的な半導体です。

金属などの導体や、逆に絶縁体は、電流が流れるか全く流れないかの、何れかで、電流を制御することはできません。シリコンに代表される半導体は、完全な導体ではなく中途半端な導体です。

中に混ぜる不純物とか、電極の形状によって、電子をさまざまにコントロールすることができます。ホウ素などの不純物を入れたP型半導体は+(ポジティブ)になり、リンなどの不純物を入れると-(ネガティブ)を帯びやすくなります。

このP型半導体とN型半導体を接合すると、一方方向にしか電流が流れないダイオードができます。ダイオードにも各種あって、交流を直流に変換する整流ダイオード。これを4個組み込んだブリッジダイオード。2個逆向きに入っているツイン(ハーフブリッジ)ダイオード。順方向から逆電圧へ切り替えた時に高速に反応するファストリカバリダイオード。順方向電流の電子と電子が抜けた穴(正孔)が再結合する際の発光を利用したLED。逆電圧が一定の値で降伏する現象を利用したツェナー(定電圧)ダイオード、などがあります。

PNPやNPN構造にすると、電流増幅効果のあるトランジスタ(パイポーラ型トランジスタ)になります。
FETはゲートに加える電圧でソースとドレイン間の電流チャンネルの広さをコントロールする電界効果型トランジスタで、動作原理は真空管に似ています。MOSFETはゲートの絶縁に酸化金属を使った、大電力用途にも使われる電界効果トランジスタです。

ICやLSI、CPU、メモリなどは、これらトランジスタを多数、シリコン結晶上に形成した半導体と言えます。



メモリ

1. EPROM
               2.SRAM
                        3.EEPROM
                                  4.フラッシュメモリー

メモリを大きく分けると、電源を切るとデータが消えてしまうRAMと、消えないROMに分けることができます。RAMも二つに分かれて、大容量だが頻繁に全アドレスのデータをリフレッシュし続ける必要があるDRAM(ダイナミックRAM)と、容量は小さいが、電源が入っている限り消えないSRAM(スタティックRAM)に分かれます。

DRAMは電荷を蓄積する小さなコンデンサと、これに接続されるFETだけというシンプルな構造のため、集積密度を高めることが比較的容易で、PCのキャッシュメモリーなどに使われています。

ROMは以前は紫外線でデータを消去できるEPROMが一般的でしたが、現在では電気的に読み書きできるEEPROMや、ブロック単位で読み書きするフラッシュメモリが一般化しています。フラッシュメモリは、ミュージックプレーヤー、デジカメ、USBメモリーなどに使われ、大容量化が進んでいます。

EEPROMはバイト単位でアクセスできるため、書換え可な設定データの保存用に適しています。AVRやPICなどのマイコンにも内蔵されています。



インダクタ  発振子

                    

1.電源トランス  交流電圧を変換
2.インダクタ   交流成分を阻止または平滑
3.クリスタル  正確な発振
4.セラミック振動子   発振

インダクタは、銅線を何回も芯に巻いたコイルです。交流的にはコンデンサの逆の性質があり、中に流れる電流が変化しにくい特性があります。インダクタの特性値はインダクタンス、単位はH(ヘンリー)。

インダクタンスのある回路に急激に変化する電圧を加えても、電流の変化は直ぐには追従しません。電流が流れるとインダクタには磁気エネルギーが蓄積され、電流が減少する際はこのエネルギーが放出されます。この現象を利用するのが、チョークコイルやノイズフィルタです。逆電圧発生や降圧、昇圧回路にもコンデンサと組み合わされて利用されています。
同じ磁気回路に別のコイルを巻くと、電磁誘導作用が発生します(そのコイル自体に発生する電磁誘導は自己電磁誘導作用といいます)。

電圧を変換する電源トランスや、スイッチング電源トランス、送受信機の高周波トランス中間周波トランス、そしてパルス性信号を伝達するパルストランス なども仲間です。

クリスタル(水晶)の結晶に電圧を加えるとわずかに変形し、変形すると逆に電圧が発生します。結晶の寸法によって共振周波数が決まるため、時計や電波発振回路に使われています。
水晶ほど安定した周波数ではないものの、同じ特性を持ったセラミック振動子は安価なため、簡単なマイコンのクロック発振回路に多く使われています。ただし、ノイズなどのショックで発振が停止してしまうことがあるため信頼性が求められる機器には適していません。



スイッチ

1.タクト・スイッチ (プッシュで回路閉)
     2.タクタイル・スイッチ:LED付き (ピアノキータッチ)
           3.トグル・スイッチ (倒した側が回路閉)
                   4.マイクロ・スイッチ(装置組み込み用)
スイッチは軽く見られがちですが、コネクターと共に、障害が発生しやすい部品のひとつです。特に近年、中国大陸から流れ込む大量の硫化酸化物が原因で、接点に銀が使用されているスイッチに接触不良が多発しています。金接点にはこの心配はないのですが、金属として柔らかいため機械的摩滅に気を付けなければなりません。



コネクタ   リレー

1.ポストヘッダ コネクタ
     2.ピンヘッダ コネクタ
          3.ICソケット
                 4.小型リレー (回路断続)
                      5.SSR (ソリッドステート・リレー)
コネクターは金メッキ同士を使う場合は問題ありませんが、イオン化傾向の異なる異種金属を接続する場合は環境によっては問題が発生することがあります。異種金属を接すると、それだけで部分的に電流が流れ続け、腐食の原因になることがあるからです。コネクタの信頼性は装置の信頼性を左右する重要なファクタであり、高級なコネクタは往々にして主要な半導体より高額になります。

接点リレーもスイッチの一種ですから、密閉型でない場合は硫化酸化物に要注意です。

SSRは接点が無いため高い信頼性がありますが、メーカーによってピーク電流の余裕度が異なります。

写真には写っていませんが、SSRやリレーと似た機能を持つ素子にフォト・カプラ(下の図記号参照)があります。発光ダイオードとフォト・トランジスタがモールドされていて、回路信号を絶縁するために使います。リレーより駆動電力が小さいメリットはありますが、数メートルを越える、大きな距離に使う場合は、コモンモードノイズや、静電破壊に最大限の注意が必要で、シールド無しで使うことは危険です。



フォトセンサー   リードセンサー

1.反射型センサー (用紙等の検出)
    2.フォト・インタラプタ (透過光検出)
             3.レバー型検出センサ(フォトインタラプタ内蔵)
                     4.リードリレー(磁力で接点閉)
反射型センサー赤外LEDフォトトランジスタを内部に組み込んだタイプと、発振回路を内蔵した変調光タイプがあります。変調光タイプは外乱光があっても使えますが、やや高価格です(ファイバやレーザーを使った特殊センサーより安価ですが、) 透過光に比べ反射光は微弱なため、検出距離は2〜4mm程度となります。

ただし、発光時間のデューティー比を大きくし、LED電流を間歇的に増大させ、光度差分増幅することで害乱光の影響を抑止すると、反射光でも20〜30mm以上の距離を検出することができます。この場合でも、直射日光のような強い光が受光側に直接入ると、受光センサが飽和してしまうため、これを防止する手立ては必要です。

不透明な板部材の検出にはフォト・インタラプタを使います。やはり赤外LEDと、フォトトラまたはフォトダイオードが使用されています。

スプリングで動くレバーでフォトインタラプタを動作させるレバー型センサーは、用紙の検出に限らず、機構部の動作検出にも使える便利なセンサーですが、製造しているメーカーが少ないのが欠点です。

リードリレーは磁力で開閉する接点をガラス管に封入したセンサーで、マグネットを接近させて検出します。ホコリや油などの環境下で使うことができます。使用頻度が多い場合はホール素子型の磁気センサーを使います。出力が小さいためアンプ内蔵型もあります。





その他のセンサーとセンサーモジュ-ル


◆温度:バイメタル、サーミスタ、熱電対、白金温度計


バイメタルは、熱膨張率の違う2枚の金属を張り合わせて、接点をON/OFFする。電気コタツに用いられる。

NTCサーミスタは負性抵抗を示す金属酸化物で作られている。温度範囲は-50℃〜1000℃。

熱電対は、異種金属導線を両端で接合した時、両端部に温度差があると、導線に起電力が発生する原理を応用したもの。白金ロジウム―白金を用いた熱電対は0〜1400℃。

白金温度計は、白金が持つ熱抵抗性の高い信頼性を利用したもの。気象庁の無人観測所に用いられている。



◆変位センサ:接触式/非接触式
OMRON

厚みや、ギャップ、位置などの変位を検出するセンサ。
接触式と非接触式があり、検出方法も、光学式、磁力式、静電容量式、レーザー式等、各種あり
絶対寸法ではなく、ある位置に対する変位量を調べるセンサー。長いシート材の厚みの変化量を調べるのであれば、駆動ローラーにシートを介して圧接するローラー軸の高さの変位を検出する等の方法を使う



◆湿度: 抵抗変化型高分子湿度センサー


金、酸化ルテニウムなどの貴金属厚膜導体をくし形に印刷焼成した電極に高分子材料を塗布したセンサー。5%RH以下は測定できない。



◆電流: CT(カレントトランス)式、ホール素子式


CTはトランスの原理を使ったセンサー。DC式もあるがAC式が一般的。

ホール素子は、半導体に直交する電流と磁場をかけた時、電流と磁場に直交する方向に発生する起電力を利用。



◆磁気: MR素子、ホール素子
MR素子は、Fe/Crなどの強磁性と反強磁性の多層膜が、磁気により抵抗が大きく変化する性質を利用。

ホール素子は前述のホール磁気センサーと同じ。



◆光: CDS、フォトダイオード、フォトトランジスタ、


CDSセンサは、硫化カドミウムに光が当たると抵抗値が下がる性質を利用

フォトダイオードはPN接合ダイオードの受光による起電力を利用。

フォトトランジスタ、は、NPN(PNP)接合トランジスタの受光によるコレクタ-エミッタ間導通を利用したもの。



◆超音波: 圧電セラミック式
秋月電子

電圧で変形するセラミックを使用して、超音波の発生または、検出をおこなう。2個の圧電セラミックを並べ、片側で超音波を発射させ、戻ってくる反射波を他方の圧電セラミックで検出する。対象物有無や、距離を測定。  (→秋月電子)



◆回転速度/回転角度: ポテンショメーター、ロータリーエンコーダ、
コパル

代表的なポテンショメーターは可変抵抗器型

ロータリーエンコーダは、光センサによるクロック盤型や、モアレ効果を応用した高分解能型がある。



◆加速度(振動)センサーモジュール
秋月電子

静電式またはピエゾ式、加速度により発生する力を検出
2軸型や3軸型のモジュールが発売されている、ロボット制御用など



◆角加速度(ジャイロ)センサーモジュール
秋月電子

圧電振動式ジャイロモジュールは、コリオリの力が発生することを利用したセンサー。
3軸、アナログまたはデジタル出力の各種モジュールがある。

なお、3軸加速度+3軸角加速度のセンサーは6軸センサーとも呼ばれ、ハイパスフィルター、ローパスフィルターと組み合わされてラジコンヘリやドローンの制御用に用いられている。  (→秋月電子)



◆圧力/加速度: ピエゾ抵抗型、高分子膜型


シリコンなどの半導体の膜で空洞を形成したピエゾ抵抗型歪ゲージは、圧力によって抵抗値が変化する。

高分子膜型は、高分子膜で隔てられたギャップを押すことで接点が導通するタイプ

MIS−2500シリーズはピエゾ型IC回路内蔵で、150〜1psi (1psi≒0.068気圧) の各種の正圧センサーと
-1000mbar(-0.987気圧)の負圧のセンサーがあり、3Vと5V動作型がある。  (→秋月電子)



◆流量: 電磁流量計、コリオリ流量計、フロート式

電磁流量計は電流が流れる流体に磁力を与えた時、流体が流れると、運動と磁気に直交する方向に発生する起電力を利用したもの。

コリオリ流量計は、ループ状のパイプに流れる流体を流れと直角方向に加速度を与えると発生するコリオリの力を検出する。

フロート式は、上部が広がったテーパー状の管の中にフロート(移動オモリ)を入れ、下から上に流体を流すと。流速に応じてフロートの高さが変わることを利用したもの。



◆風速: プロペラ式、熱抵抗式、超音波式


プロペラ式は風車の回転速度を発電機の電圧、または光学センサの周波数で測定。

熱抵抗式は、発熱抵抗の温度が風速で下がると抵抗値が変化することを利用。風に当たらない比較抵抗とブリッジ回路を組むことで気温の影響をキャンセルする。

超音波センサを使う風速計は、風速により影響を受ける音波の到達時間を直接測定。写真のように6点配置した風速計は3次元方向の風向と風速を計測できる。



◆ph(ペーハー)センサ:  酸アルカリセンサ
秋月電子

薄いガラス膜を介して2種の溶液を接触すると、ph値の差に対応した電圧が発生する原理を応用(電極は消耗品)



◆ガスセンサー: 硫黄化合物、アルコール、CO2、CO、


硫黄化合物センサ:アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタンなどのガス物質が半導体表面に吸着することで抵抗値が変化することを利用。素子に電流を流して発熱しリセット。

アルコールセンサ:スズ酸化膜式は半導体表面にアルコールが吸着して変化する抵抗値を測定。
燃料電池式は、電極面に吸着したアルコールによる発電量を測定

CO2センサ:写真のセンサは参照光:3.9μm と CO2:4.3μmの光量の差を利用

一酸化炭素センサ:動作原理はにおいセンサと同じ。一酸化炭素に反応する物質を使用



◆糖度センサ


屈折式はプリズム部に垂らした果汁などの光の屈折率を調べることで糖度を測定。ただし屈折率は塩分などでも変化するため用途を限定する必要がある。

近赤外分光法は糖により吸収されるスペクトル光を測定。果物などの外観から測定可能。



◆ECセンサ: 電気伝導率センサ


テスターやメガーは直流を使い測定するが、ECセンサは交流を使うことで、被測定物質に含まれるイオンに影響されずに電気伝導率を測定することができる。土壌水溶液の塩分や養分の検出に用いられる。



炎センサ: フレームロッド


フレームロッドはファンヒーターに炎が立っていることを検出する。温度の検出ではなく、火炎がイオン化している状態では、僅かではあるが電流を通す効果を利用する。



◆方位センサーモジュール:地磁気センサ
秋月電子

3軸地磁気測定による方位センサーモジュール



◆GPSセンサー:測地センサー
秋月電子

経度、緯度、高度、時刻をGPS衛星から取得してシリアル信号で出力



◆移動検出センサ:ドップラーセンサ
秋月電子

マイクロ波を使い物体の移動方向を検出するモジュール。距離10m程度まで
シリアル信号で出力



◆3D TOF センサー:飛行距離センサ
日本信号

光パルスを照射し、反射光の飛行時間(Time-Of-Frigft)を測定することで、距離を測定する。
3D型は、XYスキャンすることで3次元物体を認識する。写真のタイプは0〜15m



◆航空機ジャイロスコープ


機械式ジャイロスコープは高速回転するコマの原理を利用して方位の変動を検出

光ファイバージャイロは、空間を運動する光の慣性(サニャック効果)を利用。
光ファイバーではなく、ミラーを使う方式もある。







抵抗カラー
 カーボン抵抗は色の記号(カラーコード)で抵抗値を表しています。
  金色か銀色の線が右端になるように見ます。 (金は±5%品、 銀は±10%品)
  左2色が2桁の値、次が乗数(0の数)です。

 0:黒
 1:茶
 2:赤
 3:ダイダイ
 4:黄
 5:緑
 6:青
 7:紫
 8:灰
 9:白

 黄 紫 赤 金  の場合は
 4  7  2  5%  → 4 700 Ω → 4.7kΩ

最近のチップ抵抗は、小型化が進んでいるため、色の区別がし難いため、"472"のように数値表現される場合が多くなりました。


コンデンサ容量
電解コンデンサは470μ のように直接書いてあります。
数値3桁のコンデンサは P(ピコ)単位で、最初の2桁が値、最後の桁が乗数(0の数)です。
2桁以下の場合は乗数がありません。
例) 22  → 22pF  ピコ ファファッド
   102 → 0000 001 000 pF → 1000pF
   223 → 0000 022 000 pF → 0.022μF
   104 → 0000 100 000 pF → 0.1μF

  どういう訳か、コンデンサの世界ではナノは使わず、ピコかマイクロを使います。
  また、μというギリシャ文字は半角では無いため、小文字の u を代わりに使う場合もあります。


インダクタンス量
単位はヘンリー(H)
例) 100MH →  100 ミリヘンリー

3桁数値の場合は、最初の2桁が値、最後の数値が乗数。単位はμH
例) 331 → 330μH


単位について
 単位を大きい順に並べると
 G   ギガ   1000M    10^9
 M  メガ   1000K     10^6
 K  キロ   1000倍    10^3
 -               
 m   ミリ    1/1000   10^-3
 μ  マイクロ 1/1000m  10^-6
 n   ナノ    1/1000μ  10^-9
 p   ピコ    1/1000n  10^-12

参考)抵抗値と電流の関係式、V=I・R や時定数 T=定数・C・R のような掛け算の場合、右辺の2つの単位を以下のようにシフトすることができます。
 1=m × k
 1=μ × M

例)
    1V=1mA ・ 1KΩ
    1V=1μA ・ 1MΩ
    1S=k・ 1μF ・ 1MΩ



値の系列
抵抗値やコンデンサ容量の値は、一般的にE系列と呼ばれる数値で作られています。
2.2kΩや33kΩ、470μF などは最も入手しやすいE6系列です。差し支えない限り、このE6系列の部品を使うのが得策です。
例えば、抵抗2.2の列には、
 0.22Ω、2.2Ω、22Ω、220Ω、2.2kΩ、22kΩ、220kΩ、2.2MΩ、22MΩ、(220MΩ)
のような抵抗が製造されています。

E24系列 E12系列 E6系列
±5% ±10% ±20%
1.0 1.0 1.0
1.1
1.2 1.2
1.3
1.5 1.5 1.5
1.6
1.8 1.8
2.0
2.2 2.2 2.2
2.4
2.7 2.7
3.0
3.3 3.3 3.3
3.6
3.9 3.9
4.3
4.7 4.7 4.7
5.1
5.6 5.6
6.2
6.8 6.8 6.8
7.5
8.2 8.2





電子部品の図記号
 注)半導体の文字記号はD、Tr等でなく、Qで表されることも多いようです。




極性のある主な部品

【IC】
1列ピンは、型番が印刷してある面の左端が1番ピン

2列ピンの場合は、ピンが横方向に並ぶように置き、パッケージの凹みを左側、または、ドットマークを左下側にして下左端が1番ピン、上左端が最上位ピン

【注意】ICなどの半導体は上の方法でるが、コネクタには取り決めが無い。


【バイポーラ・トランジスタ】
  B:ベース C:コレクタ E:エミッタ

  NPN型     PNP型
2SC,2SD     2SA,2SB

NPN型はB→E方向に電流を流すと C→E に増幅された電流が流れます。
PNP型は電流が逆方向で、E→B方向に電流を流すと、E→Cに増幅された電流が流れます。

端子の並び順は一定していませんから、規格表を参考にしてください。ECBとある場合は、型番が表示されている面から見て、左からエミッタ、コレクタ、ベースとなります。
ただし、バイポーラ・トランジスタほとんど例外なく、中央の電極がコレクタです。そして、デジタル・テスターの場合はダイオード測定レンジにして、PNPなら赤棒をコレクタ以外の何れかの電極に当て、他の2極へ共に導通する電極を探します。それがベースとなります。PNPかNPNか分からない場合でも、コレクタさえ分かれば、赤と黒のテスタ棒を入れ替えながら、他の2極へ共に導通する電極を探すことで、それがベースだと分かる筈です。OHMレンジでは導通テストができないので注意が必要です。

注1) 2SA型と2SC型は高周波用、2SB型と2SD型は低周波用という一応の区分がありますが、登録者の考え方次第で必ずしも特性に基づいた区分ではありません。

注2)2SK30のようなユニジャンクションFETはパッケージの形状がバイポーラ・トランジスタと似ていますが、端子の並びは必ずしもドレインが中央ではありません。テスターで導通を調べた場合もバイポーラとは様子が異なります。


【MOSFET】
 G:ゲート D:ドレイン S:ソース

Nチャンネル型  Pチャンネル型
 2SK        2SJ
Nチャンネル型はSを接地し、Dに+電圧を接続し、Gに+電圧を加えるとD→Sに電流が流れます。
Pチャンネル型はSを接地し、Dに-電圧を接続し、Gに-電圧を加えるとS→Dに電流が流れます。


【ダイオード】
電流はダイオード記号の矢印方向に流れ、逆方向には流れません。
パッケージはカソード側に帯線が入っています。
     電流の方向
  ┏┳━┓
━┫┃  ┣━
  ┗┻━┛
  K   A
  カソード  アノード

【注意】LEDなどのダイオードは、順方向電圧が高いため、内蔵バッテリーの電圧が低いデジタル・テスターでは正しく測定できません。昔ながらの006Pバッテリー内蔵のアナログテスターなら可能です。


【電解コンデンサ】
電解コンデンサ(ケミコン)はマイナス極性側に(-)が表示されています。




半導体の規格の見方
初心者にとって、電子回路に関する製作記事などを参考にして、いざ作ってみようとした時、一番困るのが、製作記事に載っている部品の入手です。特にトランジスタなのど半導体はどう入手していいか解からないことがあります。しかしほとんどの場合、掲載されている半導体でないと正常に動作しない、といったケースは稀です。
回路の役割が解かれば、使える半導体は販売リストからなるべく安価なものを、自由に選ぶことができます。
詳しい規格表などを見ると、データが多すぎて混乱しますが、下に重要な項目だけに絞って説明します。

トランジスタ(2SA,2SB,2SC,2SD)FET (2SJ,2SK)
 【用途】 規格表の用途は、メーカー側が出した推奨用途ですから、参考程度にします。一応注目するのは、
 SW :: アナログ増幅用途ではなく、高速ON/OFFするスイッチング用途
 PSW : 大電流スイッチング
 HF : 高周波(ラジオ電波程度の発信/受信)
 VHF : VHF帯高周波
 UHF : UHF帯高周波

 【重要なスペック バイポーラ】
 Ic : コレクタに流れる最大電流 (ただし、ON比が数分の1以下なら、これより大きな電流でも可)
 Vceo :コレクタ-エミッタ間最大電圧 (瞬間でも越えると、トランジスタは破損するので、倍以上の余裕が必要。
   特に、ソレノイドやモーター負荷では逆起電力が数倍に上がる場合に注意)
 Pc :最大消費電力 (放熱板をけるとこの値より上げられます)
 hFE(min) :最小電流増幅率 (保障されている増幅率は一応気に留めておきます)
   :遮断周波数(回路に係わらず、増幅できる最大周波数。回路によりますが、実用になる周波数はずっと低いため、性能に余裕のあるトランジスタが必要)
 SW Time:スイッチングとしてon-offできる時間
 コンプリメンタリ:特性の揃ったPNPとNPN型相補トランジスタの型名

【重要なスペック FET】
 V : ドレイン-ソース間最大電圧(瞬間でも越えると、FETは破損するので、倍以上の余裕が必要
   特に、ソレノイドやモーター負荷では逆起電力対策が必要)
 I : ドレインに流れる最大電流 (ただし、ON比が数分の1以下なら、これより大きな電流でも可)
 RDS (on) : ON抵抗(MOSの場合重要)
 f : 遮断周波数(ユニジャンクションの場合重要)


ダイオード
 【用途】 
 一般整流用: 電圧と電流の規格以内であれば、ほとんどのダイオードが代用可能。
          例えば、AC100V,200mA 程度なら、 定格200V ,1Aのダイオード
 小信号スイッチング: デジタル回路のスイッチングなど、小電流の高速切り替えダイオードならほとんど使える。
 ショットキバリア・ダイオード: 比較的低電圧のスイッチング電源など。順方向電圧が低い。
      電流と電圧が可のショットキなら、ほとんど使える。
 ツェナー: 電圧がOKで、発熱消費電力以内ならどんな型番でも可









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