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  購入部品


機器を開発する上で、自社開発しないユニット、あるいは部品は、市販品を購入することになります。
電子部品、電磁部品、機構部品に限らず、インターネットを通じて現在では各種部品を広く海外からも入手することができるようになりました。ここでは、主な購入品分類を取り上げます。


◆ステッピングモーター

パルス駆動により、同期回転を目的としたモーターで、正確な回転角度と速度を出すことができます。出力1W〜数10Wに該当するモーターがよく使われます。

PM(Permanent magnet)型: ローター円周面が磁極のタイプ。ステップ角15°/7.5°。安価
VR(Vriable reluctnce)型: 磁極に歯の付いた鉄心ローターを使うタイプ。ステップ角1.8°/0.9°。トルク小。
HB(Hybrid)型: 磁極に歯の付いたマグネットローターを使う。ステップ角1.8°/0.9°。トルク大。

ステーターに二つのコイルを使う2相式と、5組のコイルを使う5相式があります。5相式は動作音が静かなどのメリットがありますが高価で、駆動も難しいので、2相式が普及しています。

2相式にも、リード線が4本出ている2相バイポーラ式と、6本出ている2相ユニポーラ式があります。バイポーラ式はコイルに流す電流の方向を切り替えることで磁極の向きを変えますが、ユニポーラ式は、各コイル巻き線の中央からCOM端子と呼ばれるリード線を出して、このCOM端子から、何れか片方の巻き線にだけ電流を流すことで、磁極の向きを切り替えます。

バイポーラは、コイルの巻き線をフルに使うため、大きなトルクを出せますが、コイルに接続される回路を全部切り替える必要があるため、駆動回路が複雑になってしまいます。 一方、ユニポーラ型は、COM線を電源側に固定できるので、簡単な駆動回路で済みますが、常に何れか片側の巻き線にしか電流を流すことができないため、バイポーラより小さなトルクしか得られません。

駆動方法は、バイポーラもユニポーラも基本的には同じです。ユニポーラはリード線がA,/Aのように分かれていますが、バイポーラは電流の方向によって A または /A  となります。励磁するパターンは以下のようになります。
 @ A
 A A     B
 B      B
 C /A    B
 D /A
 E /A    /B
 F      /B
 G A    /B

ステーターのA磁極を西、/Aを東、B磁極を北、/Bを南 の方向とすると、上の@〜Gのは、
  西→北西→北→北東→東→南東→南→南西→
と回転していることがわかります。ローターはマグネットでできているので、ステーターの磁極が回転すると、同期して回転することになります。
なお、HB型ステッピングモーターのステーターとローターには、角度をずらして切った歯が形成されており、励磁する相をひとつ進めると、吸引する歯が隣にシフトして、ローターを0.9°回転する構造になっています。

上の@〜Gのパターンは1相励磁と2相励磁をくりかえすので、1-2相励磁といいます。(回転角は0.9°)
常に1つの相だけがONするようなパターンを、1相励磁(回転角は1.8°)
常に2つの相がONするようなパターンは、2相励磁(回転角は1.8°)
と呼ばれています。トルクは 2相>1-2相>1相 となります。


ステッピングモーターは、回転の結果を検出しない所謂オープンループ制御が可能ですが、同期から外れてしまうこと(脱調)がないように気をつけなければなりません。最低限、1動作完了時には、所定のステップでホームポジションに機構が復帰できたことを確認するような手段を考慮しなければなりません。

また、同期引き込みの初期角度が不定になるため、初期化時のホーム位置検出が必要です。また、モーターを停止後再起動する場合も、継続した相が出力されなければなりません。

ステッピングモーターの加減速に際しては、等加速度制御が望まれます。CPUの場合、16bitタイマー割り込みの時定数をステップ毎にテーブル値で切り替え、上限で定速にします。(本HPのAVR ステッピングモーターのExcel計算参照)

同じステッピングモーターに、異なった巻き線抵抗値の種類がある場合がありますが、一般的に低い巻き線抵抗値のモーターは低インダクタンスであるため、高速域でのトルクを重視した場合に大きな駆動電流で使用します。低速でのトルクを重視する場合は、巻き線抵抗値の高い(正確にはインダクタンスの大きな)モーターを低電流で駆動します。

パルス周波数が700〜800pps以下の場合は、振動音が大きいため、通常は1000pps以上の領域で使いますが、高トルクタイプのステッピングモーターはインダクタンスが高いため、パルス周波数を上げると電流が低下してしまうため、一般的には、2500pps以内が実用的な速度となります。 インダクタンスが低いモーターを高めの電圧で定電圧駆動すると、5000pps以上の速度で駆動することもできます。 ただし、一般的なドライバーの耐圧は24〜36V程度ですので、これを越えた電圧を使うことはできません。

DCモーターや、インダクションモーターには連続定格の場合の適正電圧が明確になっていますが、ステッピングモーターの場合は、やや状況が異なります。パルス駆動のため、消費電力と、回転出力の関係が単純ではありません。このため、駆動電圧で出力を制御するのではなく、コイルに流れる平均電流で出力を制御する方法が一般的です。

駆動電流を定電流化するドライバーが、東芝、サンケン等から発売されています。定電流回路はモーターコイルのインダクタンスを利用して鋸歯状に立ち上がる電流を検出して一定値で遮断することで、定電流化しています。駆動電流値、駆動する相方式等を考慮して選択します。

なお、A,/A,B,/B等の各相の入力信号がそのまま出力されるドライバーもありますが、論理変換されるドライバーもありますので注意が必要です。

 ⇒  オリエンタル・モーター、日本サーボ、シナノケンシ、コパル、山洋、他
  詳細資料はドライバおよびモーターメーカーから得られます。

  下左: HB型片軸ステッピングモーター  下右:HB型両軸ステッピングモーター

下はステッピングモータードライバー SLA7033M (サンケン)



◆インダクション.モーター/リバーシブル.モーター

インダクションモーターもリバーシブルモーターも交流磁界により回転子に誘発される誘導電流の働きを利用したモーターで、同期からずれたスリップで発生するトルクを利用しています。50Hzまたは60Hzの単相AC100Vに直接接続して回転させることができます。回転数は商用周波数で決まります。

スリップがないと仮定した場合、1500RPMのモーターは定格トルクで1250RPM程度の回転数となります。

単相電源の場合、このままでは回転磁界が得られないため、進相コンデンサを併用します。インダクションモーターは回転方向を変えるための接続切り替えがやや複雑ですが、リバーシブルモーターは比較的容易に切り替えることができますが、効率を犠牲にしているため発熱が大きく、一般的に連続使用できません。

また、回転子の回転速度が低下してからでないと切り替えはできないため、早く停止できるように、機械式ブレーキを内蔵しています。なお、定格使用時間は30分程度であり、これを超えるとモーター内部のサーマル検出によりOFFされてしまいますが、強制空冷をすることで連続運転も可能になります。

 ⇒ オリエンタル・モーター、日本サーボ、他

   下: 15Wリバーシブル・モーター



◆DCモーター

整流のためのブラシ付きのモーターとブラシレスモーターがあります。
金属ブラシモーターはマブチモーターなど小型向け、大型モーターはカーボンブラシを使用しています。

DCブラシモーターは回転子側がコイルと鉄心、固定子側にマグネットを配します。ブラシレスモーターは回転子がマグネットで、固定子側のコイルの極性を、固定子の位置を検出することで切り替えます。

同期型モーターは脱調するとトルクが急に落ちてしまいますが、DCモーターは、無負荷時の回転数は高く、負荷が大きくなるに従って回転数は低下しますが、発生トルクは逆に大きくなるという特徴があります。

エンコーダーまたはタコ・ジェネを使って、DCモーターの回転速度を検出して、フィードバック制御することで、負荷が変わってもDCモーターを一定速度に保つことができます。

DCモーターの回生ブレーキは、回路をショートして得られるブレーキ効果を利用します。

ブラシレスモーターはエンコーダーまたは逆起電力を検出して磁界を切り替えますが、効率はブラシモーターに比べ劣ると言われていますが、ブラシが無いため、超寿命、低騒音、小型化できるため、CPU冷却用のDCファンモーターを始め各種用途があります。

DCギヤードモーターは、モーターと減速ギヤを一体にしたモーターです。

 ⇒ 日本サーボ、沢村電気工業、ツカサ電工、他

 下左:DCギヤード・モーター  下右:DCモーター



 下:CPU冷却用 DCファンモーター  DC5V 0.15A 35×35×6mm

◆ソレノイド

電磁石 ACソレノイドと、DCソレノイドがあります。プランジャーとパイプ材料により寿命が異なります。テフロンパイプ+モリブデン処理プランジャーが長寿命。

一般品は真鍮パイプ+ニッケルメッキプランジャー。 消音型はゴム緩衝材使用。
連続使用/短時間使用の別により適した抵抗値のソレノイドを選定します。

 ⇒ マルハ電機、天竜丸沢、五興電機、他

下左右: DC型ソレノイド(テフロン・プランジャー))



◆電磁クラッチ、電磁ブレーキ

電磁石でクラッチやブレーキを断続します。ステッピングモーターでは困難な高トルク、高速での制御に適していますが、初期においては摩擦面の特性が安定しないため位置精度が得られないこともあります。

メーカーでの評価試験では完全に拘束した状態で何分かスリップさせ摩擦面を慣らした上で計測するようですが、新品で納入された品はかなり長期間安定しない場合があります。

 ⇒ 小倉クラッチ、三木プーリ、神鋼電機、他


◆マイクロ・スイッチ

装置内の機構の動作を検出する場合、最も一般的な方法として使われるのがマイクロ・スイッチです。
以下は ⇒ オムロン

小型基本スイッチ
  Vシリーズ 熱硬化性ケース・タイプ
     V-152-1A5 ・ ヒンジ・レバー型 
     V-155-1A5 ・ ヒンジ・ローラー短レバー型
超小型基本スイッチ
  SSシリーズ
     SS-5GL : ヒンジ・レバー型
     SS-5GL13 : ヒンジ・Rレバー型
     SS-5GL2 : ヒンジ・ローラー・レバー型

マイクロスイッチは、機械接点が使われているため、光センサーに比べて信頼性が低く思われがちであるが、過度に深く押したり、過負荷で使うことが無ければ数百万〜数千万回以上の信頼性がある。

 左上:小型基本ピン押しボタン型  右上:超小型ヒンジ・レバー型
 左下:小型基本ヒンジ・レバー型  右下:超小型ヒンジ・ローラー・レバー型





◆フォト・センサー

 フォトインタラプタ: 遮光検出
 ⇒  EE-SV3、EE-SX398、EE-SX460-P1 (オムロン)

 反射型フォトセンサ: 用紙検出 部材検出
 ⇒ EE-SPY401,EE-SPY402 (オムロン)

 フォトトランジスタ: 赤外LEDと組み合わせて使用、透過光検出 
 ⇒ST-1KL3A (KODENSHI)
  従来はTPS601、TPS615 (東芝)PT480E00000F (シャープ)などが多く採用されていたが製造中止へ

 フォトダイオード: 高速度、測定器
 ⇒ S1188(浜松ホトニクス)
   SP-1KL (KODENSHI)
   KPID050M-H8 (京セミ)

下左から フォトダイオード  フォトインタラプタ 反射型フォトセンサ レバー型フォトセンサ




◆ ホール素子(ホールIC)

磁気センサ、マグネットと組み合わせて使います。
 ⇒ BU52054GWZ (ローム)
   EW-750B (旭化成)

◆その他の電気部品

インレット型フィルター
 ⇒ ZUG2203-11S (TDK) 

ヒューズホルダ
 ⇒ FH001AF (エコー電子)

電源ロッカースイッチ
 ⇒ アルプス電気、日本開閉器、ミヤマ電器


下はインレット型ノイズフィルター


◆ スイッチング電源

商用AC100VからDCへの変換は、古くは電源トランスと整流平滑回路が用いられていましたが、現在は下の写真のようなスイッチング電源が多く用いられます。スイッチング電源の効率は70〜80%。DC出力側は単電圧の場合と、5V+24Vのような複電圧の機種があります。入力はAC85〜220Vのようなフリー電圧対応もあります。
モーターなどを含む機器の場合は、24V単電源を使い、基板内部で5端子DC-DCレギュレーターを使いロジック回路電圧を得る方がコスト的にもメリットが多くなります。

スイッチング電源は、効率や出力重量比など、あらゆる面で、従来の電源トランスより優れているため、極めて広範囲で使用されるようになって来ましたが、どうしても勝てない点があります。それは寿命(耐久性)です。スイッチング電源は、電解コンデンサを過酷な条件下で使っているため、10〜15年で機能を失ってしまうのです。その点、電源トランスは50年以上の寿命が容易に得られるのです。

 ⇒ イータ電機 、TDKラムダ




◆ベアリング

回転軸受けは、負荷が軽い場合は、潤滑材をコーティングしたメタル軸受け(ドライベアリング)が使われます。ドライ軸受けは取り付け穴に圧入して使います。

荷重に対する摩擦力を下げる場合は、ボールベアリングまたニードルベアリングが必要になります。ボールベアリングには、主に軸径が8mm以下のミニチュアボールベアリングとそれ以上の径の普通のボールベアリングがあります。深溝ボールベアリングは、ある程度大きなスラスト負荷を受けることができます・
Fが付くフランジ型や、止め輪溝付きベアリングは、ベアリング・ハウジングを使わないで、直接側板に取り付けることができます。
ZZはボールが密閉されているタイプです。

含油軸受けは、銅系の焼結合金が多く使われています。量産の場合の低コスト化の目的もありますが、小スペース、低騒音、高荷重対策で使われる場合もあります。

深溝ボールベアリング: 6800 (d10 D19 B5), 6801 (d12 D21 B5), 6802 (d15 D24 B5)

下写真のプラスチックベアリングは、軽負荷のスライド機構などに使うことができます。フランジ型を2個、向かい合わせに使い、ベルトのガイドプーリーとしても使うことが可能です。

ミニュチアボールベアリング: WBC4-10ZZA (d4 D10 B4), 505ZZ (d5 D14 B5), 688 (d8 D16 B4)
       F608ZZ (d8 D22 B7 C11.5),

含油軸受け: B-S8-42 (d8 D12 L8)NTN, B-S8-154 (d8 D12 L10)NTN

ドライベアリング: MB0404-09FDU, MB0605-12FDU, MB0808-15FDU, MB1206-20FDU
       DBB0606, DBB0808

 ⇒ ボールベアリング: NTN 、NSK、
 ⇒ 含油軸受け、ドライベアリング: 大同メタル工業、、オイレス工業
 ⇒ プラスチックベアリング: トックベアリング


下は左から 
フランジ型ミニチュアボールベアリング 止め輪付きボールベアリング ミニチュアボールベアリング 含油軸受
  フランジ型プラスチックボールベアリング  プラスチックボーリベアリング



◆伝導部品

ローラーチェーン、プーリー、歯付きベルト(XL,MXL)、平ベルト、丸ベルト、ギヤ、 他

 ⇒ 協育歯車工業、椿本チエイン、バンドー化学、三ツ星ベルト、小原歯車工業

◆機構部品

ハンドル、取手、つまみ、蝶番、ステー、錠、キャスター、ゴム脚、スライドレール
⇒ 栃木屋、タキゲン製造、鍋屋バイテック

スプリング、歯車、タイミングプーリー、タイミングベルト、平ベルト、チェーン、セットカラー、プランジャ、軸受ブッシュ、ゴムローラー、位置決めピン、ネット、樹脂板/ブロック、ベアリング
 ⇒ ミスミ  (ネット購入可)


下は左から 錠 セットカラー 引っ張りスプリンング 基板サポート


◆ワッシャ、ネジ、カラー類

ネジ
 Wセムス  M3×6,8、M4×8,10 (平ワッシャ+スプリングワッシャ入り))
 M2ナベ、M2.6ナベ、、M3ナベ、M4ナベ、M5ナベ、M6ナベ
 M2バインド、 M3バインド、M4バインド
 M3サラ、M4サラ

セットスクリュー(六角穴付)
 M3、M4、M5

Eリング
 E12、E10、E8、E6、E5、E4、E3

Cリング
 C3、C4、C5、C6,C8、C10、C12,C15、C20、C25

スプリング・ピン
 φ2、φ3

工具、ネジ等のネット販売 ⇒ Monotaro

ワッシャ、カラー ネット販売 ⇒ 廣杉計器

プラスチックネジ ⇒ 日本ケミカルスクリュー





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