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 有限要素解析 ADVENTURE
   ADVENTURE_on_Windows 02b の試用

このページでは、手探りでADVENTURE on Windows 02b ADVENTUREを試用してみます。

●単位
ADVENTUREには、説明が一切無いのですが、試した限りでは、
 寸法:     mm
 ヤング率:   N/Cm    (ニュートン/センチメートル)
 質量密度:  kN/cm^3 (キロ ニュートン/センチメートル立方)
 応力:      kN     (キロ ニュートン)

と思われます。

●一般的な材料では、次のようになる筈です。

 材質       ヤング率       質量密度
-------------------------------------------
 鉄鋼       20000         764
 アルミ合金   6900〜7200     264
 りん青銅    11000         860

ポアソン比: 横歪%/縦歪%デ   液体で0.5 固体0.4〜0.3
なお、1kgf = 9.8N = 0.0098 kN    1kN = 102 kgf


●はりのたわみ
鉄鋼 厚さ4mm、幅100mm、長さ200mm を片持ち支持で荷重10kgf(0.098kN)を掛けた時、本HPの撓み計算プログラムでは 2.38mm が得られますが、



ADVENTURE の解析でも 2.15mmと、ほぼ近い値が得られています。(タワミ計算の方にも誤差がある可能性もありますが)


●切り込みがある板材の下面を拘束し、上面を引き上げた時の応力
データ:
sheet 8 0. 0. 0. 60. 0. 0. 60. 60. 0. 0. 60. 0. 0. 50. 0. 20. 50. 0. 20. 30. 0. 0. 30. 0.
extrude 0. 0. 10.


分割数は50、応力は0.1です。引っ張り応力は切り込み上内側に発生しています。


●切り込み上内側を肉付け補強しすると

sheet 9 0. 0. 0. 60. 0. 0. 60. 60. 0. 0. 60. 0. 0. 50. 0. 15. 50. 0. 20. 45. 0. 20. 30. 0. 0. 30. 0.
extrude 0. 0. 10.


隅部の応力も、変形も、かなり減少したことが確認できます。


●上へ引き上げる応力を、上辺全体への面荷重ではなく、先端付近に穿けた穴に掛けたら?

sheet 9 0. 0. 0. 60. 0. 0. 60. 60. 0. 0. 60. 0. 0. 50. 0. 15. 50. 0. 20. 45. 0. 20. 30. 0. 0. 30. 0.
extrude 0. 0. 10.
circle 5. 55. 0. 2.5 0. 0. 0. 0. 1. 20
extrude 0. 0. 10.
subtract


上あご部分に集中して応力が掛かるため、応力も変形も一段と大きくなることが分かります。なお、ここでの注意は、荷重は穴の上面にのみ掛けたのではなく、穴内面全体に掛けたので、穴自体は変形していません。


●拘束する底面をベタ面ではなく、下図のように2箇所で固定する脚にしてみます。

sheet 9 0. 0. 0. 60. 0. 0. 60. 60. 0. 0. 60. 0. 0. 50. 0. 15. 50. 0. 20. 45. 0. 20. 30. 0. 0. 30. 0.
extrude 0. 0. 10.
circle 5. 55. 0. 2.5 0. 0. 0. 0. 1. 20
extrude 0. 0. 10.
subtract
sheet 4 5. 0. 0. 55. 0. 0. 55. 1. 0. 5. 1. 0.
extrude 0. 0. 10.
subtract


条件設定の画面で見ると、分割のされ具合がよく分かります。


脚の部分の応力がやや大きくなっています。



●パイプに横荷重
circle
0. 0. 0. 5. 0. 0. 0. 0. 1. 30
extrude
0 0 60
circle
0. 0. 60. 4. 0. 0. 0. 0. 1. 30
extrude
0 0 -60
subtract

長さ:60mm  外径:10mm 内径8mm のパイプ 節点密度20

片端面を固定し、他端面に荷重は0.5kNを掛けます。




●節構造のパイプに横荷重
circle
0. 0. 0. 5. 0. 0. 0. 0. 1. 30
extrude
0 0 60
circle
0. 0. 60. 4. 0. 0. 0. 0. 1. 30
extrude
0 0 -19
subtract
circle
0. 0. 40. 4. 0. 0. 0. 0. 1. 30
extrude
0 0 -19
subtract
circle
0. 0. 20. 4. 0. 0. 0. 0. 1. 30
extrude
0 0 -20
subtract

前例と同じ長さ:60mm  外径:10mm 内径8mm のパイプに途中2箇所、節を入れる  節点密度10。

前例と同じく、片端面を固定し、他端面に荷重は0.5kNを掛けます。

結果は節の無いパイプと大きな違いはありません。
リニアな変形領域では、節は重要な役目を果たしていないということです。竹の節も、無風の時は意味が無いのでしょうが、強風で強くしなり、竹が座屈寸前になった時に初めて重要な役割をするのでしょう。多分、地面からの高さと、竹の直径、竹肉の厚さ、節の間隔、などは、無駄が削がれた値になっているに違いない。



実物を作って実験するのは、作ること自体が大変な上に、応力がどこに集中しているかは、簡単に分かるものではありません。電気回路におけるSpiceシュミレーターも強力なツールですが、有限要素解析ADVENTUREは、これに匹敵する、極めて強力なツールとなるはずです。

ただ、実際の構造物の荷重を増していくと、途中までは、ほぼ線形に変形していきますが、限界を越すと、突然、座屈変形しますが、このあたりをADVRNTUREに求めることはできません。Spiceの使い方に最大限の注意が必要なように、有限要素解析にも、多くの注意すべき点がある筈です。






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