設計と加工のノウハウ


はめあい寸法
                              穴           軸
緩いはめあい             H9          e9
適度なはめあい          H8          f8
ややきついはめあい     H7         g6
かなりきついはめあい   H7         p6

標準抜き型による穴は H8

みがき鋼棒の寸法は h8

再分解可能、またはスライド可能なボールベアリング用の軸公差は f8
 h公差の軸は小さなキズで抜きが不可能になる可能性あり。

亜鉛メッキ厚は5〜13μ
電解ニッケルメッキのエッジ部厚みは10〜30μ

板にメッキをするとh8軸は貫通できないため、SECCやクロームフリー鋼板の使用が望まれまれる。ただし、外縁部が露出する場合は防錆処理が必要。
レーザー加工の穴寸法は加工機種やセッティングにより±数十μばらつきあり、



素材



鋼材
 SPCC: 冷間圧延鋼板 t=0.6, 0.8, 1.0, 1.2, 1.6, 1.8, 2.0, 2.8, 3.2,
   用途: アングル、パネル、側板、フレーム、カバーなど
   加工方法: 曲げ、絞り、プレス抜き、レーザー切断
   特徴: 要メッキ、強度はSS材の60〜70%程度、安価、プレス型で量産可

 SECC(クロームフリー): SPCの表面処理鋼板  SPCCに順ずるが板厚種は限定
   用途: SPCCに順ずる クロームフリー鋼板はROHS対応品
   加工方法: SPCCに順じます。
   特徴:メッキ不要、表面はSPCCより硬いため部品強度はやや強い
       手で触れた切断面が錆びるので準外観に使う部分は防錆処理が必要

 SPH 熱間圧延鋼板 t=3.2, 3.6, 4.0, 4.5, 5.0, 5.6, 3.0, 3.3, 7.0, 6.0, 9.0, 10
   用途: SPCCより厚い板部材
   加工方法: 曲げ、プレス抜き、切削、構造用
   特徴:t3.2mm以上の部材用

 SS400 一般構造用圧延鋼材 t=1.6, 2.3, 3.2, 4.5, 6.0, 8.0, 9.0, 10.0, 12.0, 14.0, 16.0
   用途: 強度が必要な構造物用
   加工方法: 切削、溶接 、熱処理は不可

 S45C 炭素鋼
   用途: 強度と硬度が必要な部品
   加工方法: 焼入れ焼戻し、表面焼入れ、高周波焼入れ、窒化処理

 SK4,SK5  炭素工具鋼
   用途: 工具、刃物
   加工方法: 焼入れ焼戻し、表面焼入れ、高周波焼入れ、窒化処理

 SWP-B  バネ鋼(ピアノ線)
      0.1,0.2,0.32,0.35,0.4,0.45,0.5,0.55,0.6,0.65,0.7,0.8,0.9,1.0,1.2,1.4,1.6,1.8,2.0,2.3,2.6,2.9,3.2
   用途: 引っ張りスプリング、圧縮スプリング、トーションスプリング

ステンレス
 SUS430  ステンレス鋼板 t=0.3,0.4,0.5,0.6,0.8,1.0,1.2,1.5,2.0,2.5,3.0,4.0,5.0,6.0,7.0,8.0,9.0,10
   用途: 板材
   加工方法: シャー、レーザー、プレス
   特徴: 板、廉価、磁性

 SUS416  ステンレス快削鋼
   用途: 軸
   特徴: 廉価

 SUS304  18-8ステンレス
、  用途: 板、軸
   特徴: 耐熱、非磁性、高強度、やや高価格
        SUS303は304より切削性良

 SUS304-CSP ステンレスバネ鋼 t=0.1, 0.15, 0.2, 0.25, 0.3, 0.4,0.5, 0.6, 0.7, 0.8, 1.0, 1.2,1.5, 2.0
   用途: バネ
   特徴: 1/2H、H等の硬さ、焼入れ焼戻し


磨き鋼材寸法表 (SS, S45C)

平鋼
3×6,3×9,3×10,3×12,3×13,3×16,3×19,3×22,3×25,3×32,3×38,3×50,

4.5×9,4.5×13,4.5×16,4.5×19,4.5×22,4.5×25,4.5×32,4.5×38,4.5×44,
4.5×50,4.5×65,4.5×75,4.5×100,4.5×125,4.5×150,4.5×180,4.5×200,

5×13,5×16,5×19,5×22,5×25,5×32,5×38,5×44,5×50,

6×9,6×10,6×12,6×13,6×16,6×19,6×20,6×22,6×25,6×32,6×38,6×40,
6×44,6×50,6×60,6×65,6×75,6×90,6×100,6×125,6×150,6×180,6×200,6×250,6×300,

9×12,9×13,9×16,9×19,9×22,9×25,9×32,9×38,9×44,9×45,9×50,9×60,
9×65,9×75,9×90,9×100,9×125,9×150,9×180,9×200,9×250,9×300,

10×12,10×15,10×16,10×20,10×22,10×25,10×30,10×32,10×38,10×40,10×50,
10×60,10×65,10×75,10×90,10×100,10×125,10×150,10×200,

12×16,12×19,12×20,12×22,12×25,12×28,12×32,12×38,12×44,12×45,12×50,
12×60,12×65,12×75,12×90,12×100,12×125,12×150,12×180,12×200,12×230,12×250,
12×300,16×19,

16×20,16×22,16×25,16×32,16×38,16×44,16×45,16×50,16×60,16×65,16×75,
16×90,16×100,16×125,16×150,16×180,16×200,16×250,16×300,

19×22,19×25,19×32,19×38,19×44,19×50,19×60,19×65,19×75,19×90,19×100,
19×125,19×150,19×180,19×200,19×250,19×300,

20×25,20×50,20×65,20×100,

22×25,22×32,22×38,22×44,22×50,22×60,22×65,22×75,22×90,22×100,
22×125,22×150,22×180,22×200,22×250,22×300,

25×32,25×38,25×44,25×50,25×60,25×65,25×75,25×90,25×100,
25×125,25×150,25×180,25×200,25×250,25×300,

30×50,30×60,30×65,30×75,30×100,30×125,30×150,30×200,

32×50,32×65,32×75,32×100,32×125,32×150,32×200,32×250,32×300,

38×50,38×65,38×75,38×100,38×125,38×150,38×200,38×250,38×300,

50×65,50×75,50×100,50×125,50×150,50×200,50×250,50×300,


丸鋼
2,3,4,5,6,6.35,7,7.93,8,9,9.52,
10,11,12,12.7,13,14,15,16,17,18,19,19.05,
20,21,22,22.22,23,24,25,25.40,26,27,28,28.57,29,
30,31.75,32,33,34,34.92,35,
36,38,38.10,
40,41.27,42,44,44.45,45,46,47.62,48,
50,50.80,53.97,55,57.15,
60,60.32,63.50,65,
70,75,76.20,
80,85,
90,95,
100,105,110,115,120,125,130,140,150,

四角鋼
3,4,5,6,6.35,7,8,9,9.52,
10,11,12,12.70,13,14,15,16,17,18,19,
20,21,22,23,24,25,25.40,26,28,
30,32,34,35,36,38,
40,42,44,45,
50,55,
60,65,
70,75,
80,85,
90,95,
100,110,120,125,130,140,150,

六角鋼
4,5,6,7,8,9,10,
11,12,12.70,13,14,17,19,
21,22,23,24,26,27,29,30,32,35,36,38,
41,46,
50,54,55,58,
60,63,65,67,
70,71,75,77,
80,85,
90,95,
100,105,110,115,


非鉄金属
 A5052  耐蝕アルミ   軸、ブロック、板、 t=0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0, 6.0
   用途: もっとも一般的なアルミ合金、板部品、ブロック部品、軸部品
        アルマイトで表面は硬化(着色可)、塗装は不適
        溶接可、重量は鉄の1/3程度、
 A2024  高張力アルミ t=1.0, 1.5, 2.0. 3.0, 4.0, 5.0, 6.0 , 8.0, 10
 BsBM (C3602) 快削黄銅  加工性良
 PBP (C5191P) りん青銅   耐疲労、耐蝕

樹脂
 ABS  射出成形一般
 PC   ポリカーボ、高強度、難燃、絶縁、耐候性、耐衝撃
 POM  デルリン、 ギヤ、プーリー、高耐衝撃、耐疲労、耐磨耗、高寸法精度、燃性
 ナイロン6 低摩擦係数、低耐水性
 PP   ポリプロピレン、 食器、家電、耐熱
 PVC  塩化ビニ-ル、加工性良、適度に軟
 PET  マイラーフィルム
 PMMA アクリル、加工性良、燃性

ゴム
 NBR  耐油性、ローラー
 UR   ウレタンゴム、耐磨耗
 EDPM 高摩擦、耐久
 SR   シリコンゴム、耐熱、耐薬品
 CR   クロロプレンゴム、耐候性


◆熱処理

 HQ   焼入れ
 HQT   焼入れ+焼戻し処理 (焼入れ後、中熱処理で靭性を高める)

硬度:  ロックウェル硬度 HRC で指定
 主な硬度
  HRC45:バネ鋼
  HRC55:硬質ガラス
  HRC57:石英ガラス
  HRC63:水晶
  HRC64:工具鋼


◆表面処理

 Cu : 銅メッキ
 ICr : 工業用クロムメッキ
 Zn : 亜鉛メッキ
 Zn-CM1 : 亜鉛ユニクロメート・メッキ  SPCC防錆
 Ni  : ニッケル.メッキ  SPCC防錆
 Ni,Cr: ニッケル-クロム・メッキ
 Sn : すずメッキ
 E-Au : 工業用金メッキ
 E-Ag : 工業用銀メッキ

 B  : 黒染め(鉄)    SS、S着色処理 (完全な防錆ではない)
 WA : 白アルマイト    アルミ表面に陽極酸化皮膜形成、表面は絶縁体になる
 BA : 黒アルマイト    陽極酸化皮膜に形成された微細な凹構造に黒着色材を入れ熱処理で閉じ込め。
      着色アルマイトとして 赤、緑、青 等可
 SB : サンドブラスト  砂吹き艶消し処理。 アルミ、真鍮、鉄等に適するがSUSには不適 

工業用塗装
 メラミン塗装:熱硬化性 金属製品
 エポキシ塗装:耐薬品と耐塩水だが耐候性に劣るため下地用
 アクリル塗装:耐候性良 屋外、ABSの塗装
 ウレタン塗装:耐候耐薬良 金属製品に多用

焼付け塗装: 2液硬化型以外は通常「焼き付け塗装」による。焼付け温度は通常150℃程度

塗装方法
 エアスプレー:霧化
 エアレス : 小さい穴から圧力噴射
 静電塗装: 霧化塗料を負極帯電させ吸着
 静電粉体塗装: 粉体塗料を帯電させ吸着
 電着塗装: 槽内の電着塗料を帯電させ吸着 (黒またはグレーのみ)



色:マンセル記号  色相 明度/彩度 で表現する。

 【色相】
   基本色は 赤、黄、緑、青、紫 の5色と、中間色の5色、計10色を色記号と呼ぶ。
    赤 黄赤 黄 緑黄  緑 青緑  青  紫青 紫 赤紫
    R  YR  Y  GY  G  BG  B  PB  P  RP
  更に1色、例えばYを10段階に分けて、黄赤に近い色を1Y、純色の黄を5Y、緑黄に近い色を10Y とする。
  ただし、色のない(白〜灰〜黒)はNで表す。

 【明度】
   完全な黒=0 完全な白=10 

 【彩度】
   無彩色=0 、、 数値が大きい程鮮やかが増す (5Rでは最高14だが色相によって最高彩度は異なる 

 例) 5R 5/5  8GY 4.5/3.5  2.5PB 9/2
    N9(白) N1(黒)

塗装表面の仕上げ: ツヤ/半ツヤ/ツヤ消し/レザー/ハンマートーン
塗装は、金属、大方の樹脂に適するが、アルミには不適当。

注)塗装色の見本は 社団法人日本塗料工業会 から 「塗料用標準色見本帳」 が発売されています。
 一般的に塗装色および表面仕上げは、見本(限度見本)を発注側と製造者側が互いに持ち合うことにします。


◆一般寸法精度

------------------------------------
 寸法区分       寸法精度(±)mm
               12級  13級  14級
------------------------------------
 0.5以上3以下     0.05  0.05  0.1
 3を超え6以下     0.05  0.1   0.1
 6を超え30以下     0.1   0.15  0.2
 30を超え120以下   0.15  0.25  0.3
 120を超え325以下  0.2   0.4   0.5
 315を超え1000以下  0.3   0.7   0.8
------------------------------------
               精級 中級 祖級

個々に寸法許容差を記入しない寸法は一般寸法精度の表で規定
精度を特に必要としない場合は粗級とし、他の級数欄表は斜線で取り消し線を記入
角度許容差は通常±1°


◆加工方法

旋盤: 被加工物を回転させ、バイトなどの刃物で切削する。軸状の加工に適している。
外周切削、中ぐり、テーパー削り、ネジ(スクリュー)切り、ローレット加工、偏芯削り、センターもみ付け、外周研磨 など
小型旋盤のベンチレース、複数刃物が交換できるターレット旋盤、数値制御のNC旋盤 などがある。

 旋盤                  NC旋盤                 以下画像はyahoo画像より



横フライス: 回転軸が横向きで、刃物を回転させて切削する。
長溝切削、平面切削 など



縦フライス: 回転軸が縦向きで、エンドミルなどの刃物を回転させて加工する。
平面切削、溝、穴加工 など




マシニングセンター: 自動工具交換機能があり、NC制御される。
フライス加工、穴加工、ネジ穴加工



歯切り加工(ホブ加工): ホブと呼ばれる刃と被加工物を回転させながら歯を切削する。
数学のインボリュート曲線をNCで切削するのだろうか?などと思い勝ちであるが、基本のラック歯形をシフトしながら回転させて写し取ったホブに刃を付けて、これでまたギヤを切るのである。セッティング次第で、自由な歯数は元より、ハス歯、内歯、傘歯、ウォームも切れる!

ギヤ、プーリーなどの加工


なお、フライス盤や旋盤とロータリーインデックステーブルを利用して、1歯ごとに歯を切削する方法もあります。



ブローチ盤: ブローチと呼ばれる直線的な刃を往復させて切削加工する。
キー溝加工、ギヤ加工 など




ホーニング加工:砥石を使い円筒内面を研磨加工する。
シリンダー、パイプ



鍛造加工: 切削加工ではなく、被加工物を力で塑性変形させて加工する。
ネジ頭成形、オスネジ成形 など


溶接: 加熱して金属を溶着する加工
アーク溶接: 金属の被加工物と溶接棒間に電圧を掛け、アーク放電の熱で両材を溶着する。
スポット溶接: 板金を2枚、銅電極で挟み、大電流を流して発熱させ溶着
アルゴン溶接: 不活性ガスのアルゴンを吹きつけながら細いタングステン電極の放電で溶接する。母材を溶かして溶接するため変形が少なく、各種母材を使うことができる。


研磨: バリ取りや表面研磨をおこなう
センターレス研磨: 軸を浮かせて回転させながら研磨する。軸直径の調整。
バレル研磨: 粒状の研磨石などと共に回転させ、バリ取り、表面研磨
バフ研磨: 回転するバフで表面研磨

 センターレス研磨         バレル研磨             バフ研磨



放電加工/ワイヤカット:  電極と金属の被加工物間に放電させて切除する。
細いワイヤの電極を送りながら加工するワイヤカット、
型電極を押し込んでいく放電加工がある。
型の加工、少量生産品の板金の型無し加工に用いられる。


レーザー加工: 弱い出力のレーザー加工は表面に模様など入れるために用いられるが、高出力レーザーは、少〜中量生産の板ものNC切断加工ができる。


プレス加工: 量産品の抜き、曲げ、絞り


樹脂モールド成形: 量産品の各種部品、カバー


ロストワックス: 雌金型を作り、これにロウを流し込んで複数のロウ型を作る。このロウ型にセラミックスのコーティングをしてから熱でロウを流し出してできた空洞に金属を鋳込む。装飾品等、微細突起等不可



メタルインジェクション: 雌型に型粉末金属とバインダーを詰め一次焼結→2次焼結→割り。
ロストワックスより精密加工が可能



真空/圧空成形: 少量生産の樹脂カバー類、真空型は安価だが複雑な形状は不可。簡易木型は安価短寿命



表面硬化処理: 焼入れ、 下は窒化処理品



塗装処理: 板金カバー、モールド品



ドリルの刃
ドリルの刃は慣れるとグラインダーで研磨することができる。
ドリルの先端角は118度であるが、ドリル刃を回転させながら研ぐだけでは切れない刃となってしまう。
先ず、下写真のように刃の後部を落として逃げ角を作り、次にグラインダーの角を使って、中心付近の刃の後部を落としてドリル先端を尖らせ気味にする。これをシンニングという。




一文字ドリル
通常のドリルの刃で薄板に大きな穴をあけると食い付いてしまう。
ドリルの刃を下のように加工することで、きれいな穴あけ加工ができる。一文字ドリルと呼ばれている。







◆配線材

  単相一次電源: 黒(100V)、白(100V接地側)、緑(FG)
  二次電源: 赤(Vcc) 黒(GND)
  多極コネクタの線色はピン番に対応した抵抗カラー(10色)

 線材の例
  被覆: UL1007
  導線:
     AWG 26 : 信号線
     AWG 22 : DC電源ライン
     AWG 18 : 一次電源、DC電源ライン






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