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   汎用ロジックIC
       代表的な74シリーズ4000シリーズ


CPUが一般化して以来、TTLなどの汎用ロジックICの出番は減ってしまいました。しかし、CPUにばかり頼っていると、些細なことでつまずいたり、処理速度の壁に挫折することがあります。例えば、短いパルス入力をラッチして保持したり、高速クロックをプリスケールして低い周波数にしたりするのもCPUにはできない芸当です。また、12Vや24VをレベルシフトしてCPUとインターフェースするロジックICもあります。

例えば、街頭で見かける広告ディスプレイには多数のLEDが使われていますが、コントローラーからLED個数分の配線を接続することなどは到底できません。しかし、ディスプレイ部にロジックICであるシフトレジスターを使い、シリアル信号を使えば何本かの信号線だけで済ますことができます。


汎用ロジックICのメーカーはテキサス・インスツルメンツ(TI)、東芝、フェアチャイルド、オンセミコンダクター、ルネサスなど多数ありますが、先頭2文字のメーカー識別型番が異なるだけで、74に始まる型番は何れも共通になっています。

7400など標準型のTTLが使用されることは減りましたが、74LSで始まる、TTLより低消費電力型のローパワーショットキー型シリーズ、更に低消費型でCMOS型の 74HC シリーズなどが有名です。
なお、汎用ロジックICの電源電圧は基本的には5Vですが、3.3V系もあります。

汎用ロジックICはデジタル動作ですから、基本的には、扱う信号の電圧が、高い状態(H)か、低い状態(L)かだけを取り扱います。5V系でしたら5V付近をH、0V付近がです。具体的な判定電圧(スレッシュレベル)は素子の種類により規定があります。

CPUを使いこなすのは、膨大なマニュアルが必要ですが、ロジックICは基本的なゲートが理解できれば、複雑なICでも真理値表を見ることで、大筋の働きを理解することができます。



◆信号の論理
デジタル信号は、情報を2値の論理として扱います。例えば、Hを1、Lを0 のように扱いますが、これを正論理(アクティブ・ハイ)といいます。逆に、Lを1、Hを0と見る方法(回路)は負論理(アクティブ・ロー)です。負論理の配線端子上には小さな○を付ける約束があります。
信号名で負論理を表す場合は、文字の上に線(バー)をつけます。

 図1


図1は、74HC04に接続される回路です。74HC04はインバーターと呼ばれるゲートICで、入力された信号を反転して出力します。信号レベル的には、ピン1にHが入ると、出力ピン2はLになります。
また、この回路を動作の上からみると、左側(ピン1側)の動作信号は、Hでアクティブ(アクティブ・ハイ)になる回路ですが、右側(ピン2)側は、動作するとLになる回路と考えます。Lでアクティブ(アクティブ・ロー)となる回路側には小さな○を付け、信号名には上にバーを付けることになっています。上にバー付加できない場合は /信号名 のように表記する場合もあります。

上の例図でも、もし左側に接続される回路が負論理の回路だったら、1番ピン側に○を付け、2番ピン側は○のない図記号を使います。



◆NOT、AND、OR、XOR
論理回路に使われるゲートは、インバータと、下図のゲートがあります。


NOT
   (ノット・ゲート /インバーター) 
0 を 1 に  1 を 0 に変換するゲートです。
なお、出力電流を増強するために、論理を反転しないゲートは、バッファと呼ばれています。

AND (アンド・ゲート)  A・B
入力A入力Bが1なら、出力が1 となる論理で、それ以外は0が出力されます。
 1 AND 1 = 1
 1 AND 0 = 0
 0 AND 1 = 0
 0 AND 0 = 0
出力を負論理で出力するゲートは NAND(ナンド)と呼ばれます。

OR (オア・ゲート)  A + B
入力Aまたは入力Bが1なら、出力が1になる論理で、それ以外は0が出力されます。
 1 OR 1 = 1
 1 OR 0 = 1
 0 OR 1 = 1
 0 OR 0 = 0
出力が負論理で出力されるゲートは NOR (ノア)と呼ばれます。

XOR (イクスクルーシブ・オア) AB
排他論理といって、入力Aと入力Bが違っていたら出力が1になる論理で、それ以外は0が出力されます。一方の論理を制御信号と考えると、制御信号が1なら入力を反転した出力が得られ、0なら非反転という動作が得られます。
 1 XOR 1 = 0
 1 XOR 0 = 1
 0 XOR 1 = 1
 0 XOR 0 = 0

XOR ゲートは他のゲートを組み合わせて構成することができますので、最も基本なゲートは、AND,OR,NOTの3ゲートとも言えます。



論理を裏からみると
ANDゲートの働きは
 入力A=1 かつ 入力B=1 なら 出力=1
ですが、同時に
 入力A=0 または 入力B=0 なら 出力=0
ともいえます。
上の働きはANDゲートですが、下は負論理入力のNORゲートでもあるのです。
つまり、同じゲートでも、Hで動作させる回路かLで動作させる回路かによって表記が異なってくることになります。

下図の上と下の記号は、同じゲートを反対の論理記号で表現している図です。



発振器(マルチバイブレーター)のような回路には正論理/負論理の区分はありませんが、動作/非動作の区分がある回路においては、回路上の動作を正しく理解するために、ゲート記号を正しく表現することは重要です。しかし、CADでは自由にできないため、現在ではこの約束が守られることは少なく、余程の注意を払わないと混乱してしまう危険があります。



エッジ動作信号
HまたはLのレベルではなく、信号の変化で入力する信号には小さな三角を付けます。
下図で、上はクロックの立下りエッジで動作する信号、
下は立ち上がりエッジで動作するクロック信号を意味します。






ファンアウト
一つのゲートICにいくつのゲートICを接続してドライブできるか、その個数のことをファンアウトといいます。
一つのゲートに必要な入出力電流は、7400で
                       TTL        LS
Hで流し出せる最大電流  IOH   -400μA     -400μA
入力がHの流れ込み電流  IIH    40μA       20μA

Lで引き込める最大電流  IOL    16mA           8mA
入力がLの流れ出し電流  IIL     -1.6mA         -0.4mA


例えばLSのHでは ファンアウト= IOH/IIH = 400μA/20μA = 20
Lでも  ファンアウト= IOL/IIL = 8mA/0.4mA = 20
となります。
なお、この値をみればわかるように、Hで流しだせる電流より、Lで引き込める電流の方が多いため、LEDなどをドライブする場合は出力を抵抗でプルアップして、Lで駆動する場合が多いのです。

CMOSは電流ではなく容量で、速度が決まってきます。1ゲート入力につきにつき6〜10pFのようです。負荷容量CLは50pFでデータが測定されているようです。



ロジックICの内部回路



上は74シリーズや、74LSシリーズのNANDゲートのモデル回路図です。
エミッタ接地回路やベース接地回路など、通常のトランジスタ回路に馴染んだ者にとって、この回路は困惑してしまいます。Q1がエミッタ極が複数あるマルチエミッタのNPNトランジスタであることは解かりますが、次のQ2への接続はどうなっているのでしょうか?

実はQ1はトランジスタとしてはなく、下図のように。N←P→N 接合のダイオードとして使っているのがその種明かしです。トランジスタの増幅回路の場合はコレクタ側からエミッタ側へ出力電流を流すのですが、この回路では逆にベースからコレクタ方向へ電流を流し出すように使っています。



TTLが普及する以前のDTL(Diode-Transister Logic)回路からの流れでこうなったものと思われますが、入門者にとっては人騒がせな回路であることは確かです。

双方のエミッタがHの時は、Vcc→4kΩ→Q1コレクタ→Q2→Q4→GNDに電流が流れますから出力はLになります。

Q1の何れかのエミッタがLに引き下げられると、4kΩの電圧降下で、ベース電圧はLになり、結果Q2、Q4側にも電流は流れなくなり、替わりに1.6kΩ→Q3ベースがONし出力はHになります。

入力はLレベルの引き込み電流の方が大きく、出力はHレベルでの吐き出しより、吸い込み(シンク)電流の方が大きいことがわかります。Q3とQ4はその形からトーテムポール出力回路と呼ばれています。

LTspiceでシュミレートする下のようになります。緑が入力、赤が出力波形です。入力はマルチエミッタではなくシングルで代替してます。実際の回路はもっと高速動作ができるように、やや複雑な回路が付随しています。





なお、同じロジックICでも、74HCや4000シリーズで使われている素子は CMOS が使われています。CMOSはコンプリメンタリ(相補型)MOSの意で、NチャンネルとPチャンネル型MOSFETで構成されるICです。
MOSFETは、アナログ回路上では



のように表記しますが、デジタル回路上では下図のような表記を使います。ゲートに○が付かないN型MOSはHで導通し、○が付くP型MOSはLで導通する素子であることが記号の上でわかり易くなっています。

例はロジック回路のNANDゲートです。
N1,N2はNチャンネルMOSFET、P1,P2はPチャンネル型MOSFETです。

PMOSがONしている時はNMOSはOFFし、NMOSがONしている時はPMOSがOFFしますから、何れの場合もVddからGNDへの電流は流れません。また、入力ゲートは一種のコンデンサですから、Hの場合でもLの場合でも定常的な電流は流れません。
このように、CMOSは、信号が変化した時のゲート容量の充放電が主な消費電力であり、信号変化が無ければ消費電力が発生しないという特徴があります。ただし、CPUなどの高密度CMOS回路をGHz帯のクロックで動作させると、如何に放熱するかが大きな問題となってきます。





デジタル回路を考える場合、このような回路をいちいち思い出す必要は無いのですが、理解しておいて損はありません。



フリップフロップ (FF)
フリップフロップは、デジタル回路で多く使われる回路で、略してFFと呼ばれています。FFの最も簡単な例はRS-FFで、下図のような回路から構成されています。

スイッチSを閉じると、上のNANDゲートの入力は  0 AND X = 0  となるため、出力Qは 0 の反転、つまり 1 になります。
すると、下側のNANDゲートの入力は 1 AND 1 = 1 ですから出力/Qは、それを反転した 0  になります。
面白いことには、スイッチSを押すことを止めても回路は同じ状態を保つことです。
上のゲートは  (1 AND 0 )× NOT = 1 ( Q)
下のゲートは  (1 AND 1)× NOT = 0 (/Q)
スイッチRを閉じると、逆に出力Qは 0 、出力/Qは 1 になります。やはり、スイッチを離しても出力は保持されます。

この回路はRS-FFと呼ばれています。ハード回路のチャタリング防止回路に使うことができますが、最も有用な用途はメモリーとしての用途です。電源が保たれる限り、FFは同じ状態を記憶することができるためです。
なお、FFは一般的に右のように、中の回路を省略して、入出力端子だけの箱で表記されます。

RS-FF以外にも各種FFがあります。

T-FF(トリガFF)はT入力で出力を反転します。



D-FFは。Cp↑でDを取り込み、Qへ出力します。/Rは0でFFをリセットします。



JK-FF はJ,K共に1にした場合、Cp↑入力で出力が反転します。KにJの反転入力を入れるD-FFと同じ動作となります。/Rは0でFFをリセットします。




3ステート出力 (THREE-STATE OUTPUT)
7406などのオープンコレクタ型を除いて、複数の出力素子を接続することはできません。Hを出力している素子から、Lを出力してる素子に電流が回り込み、ショートしてしまうためです。
これを防止する機能が、3ステート出力です。HとL以外に、回路が浮いた状態(ハイ・インピーダンス)にすることができる機能です。アドレスや、データ線のバスラインに接続する出力には必ず用いられます。



◆代表的な74シリーズ汎用ロジックIC

74HC00
    QUADRUPLE 2-INPUT POSITIVE-NAND GATES
74HC04   HEX INVERTERS
74HC06   HEX INVERTER BUFFERS/DRIVERS WITH OPEN-COLLECTOR, HIGH -VOLTAGE OUTPUT
74HC07   HEX BUFFERS/DRIVERS WITH OPEN-COLLECTOR, HIGH -VOLTAGE OUTPUT
74HC10
   TRIPLE 3-INPUT POSITIVE-NAND GATE
74HC14
   HEX SCHMITT-TRIGGER , INVERTERS
74HC21   DUAL 4-INPUT POSITIVE-AND GATES
74HC30
   8-INPUT POSITIVE-NAND GATE
74HC32   QUADRUPLE 2-INPUT POSITIVE-OR GATES
74HC42   BCD-TO-DECIMAL
74HC73   DUAL JK FLIP-FLOP WITH CLEAR
74HC74    DUAL D-TYPE POSITIVE-EDGE-TRIGGERED FLIP FLOPS WITH PRESET AND CLEAR
74HC76  
Dual JK Flip-Flop. With Set and Reset
74HC86
   QUADRUPLE 2-INPUT EXCLUSIVE-OR GATES
74LS90   DECADE COUNTERS
74LS91   
 8-BIT SHIFT REGISTERS
74HC93   4-BIT BINARY COUNTERS
74HC126  QUADRUPLE BUS BUFFER GATES WITH THREE-STATE OUTPUTS
74HC138  3-TO-8 LINE DECODERS / MULTIPLEXERS
74HC139  DUAL 2-TO-4 LINE DECODERS / MULTIPLEXERS
74HC151  1-of-8 DATA SELECTORS
74HC153
  DUAL 4-TO-1 LINE DATA SELECTORS / MULTIPLEXERS
74HC154  4-TO-16 LINE DECODERS
74HC157  QUAD 2-TO 1-LINE DATA SELECTOES (NON INVERTED OUTPUTS)
74HC161
  SYNCHRONOUS
4-BIT COUNTERS
74LS164  SERIAL-IN PARALLEL -OUT SHIFTREREGISTERS
74LS165
  PARALLEL-IN SERIAL-OUT SHIFTREREGISTERS
74LS181  ARITHMETIC LOGIC UNITS/FUNCTION GENERATORS
74HC191
  SYNCHRONOUS UP/DOWN COUNTERS

74HC194  4-BIT BIDIRECTIONAL UNIVERSAL SHIFT REGISTERS
74HC244  OCTAL LINE DRIVERS , 3-STATE OUTPUT
74HC245  OCTAL BUS TRANCEIVERS , 3-STATE OUTPUT
74HC247   BCD-TO-SEVEN-SEGMENT DECODERS/DRIVERS
74HC283
 
 4-BIT FULL ADDERS
74HC365  HEX BUS DRIVERS, 3-STATE OUTPUT
74HC373
 
 OCTAL D-TYPE LATCHES, 3-STATE OUTPUT.
74HC374  OCTAL D-TYPE FLIP-FLOPS, 3-STATE OUTPUT
74HC377
 
 OCTAL D-TYPE FLIP-FLOPS
74HC541  BUFFERS INPUT, 3-STATE OUTPUT.
74HC4066  QUAD BILATERAL SWITCHES




◆ 74HC00   QUADRUPLE 2-INPUT POSITIVE-NAND GATES

最も有名な ナナヨンマルマル。このゲートICは、AとB双方にHが入力されたときにのみ、出力Yが L になるNANDゲートです。
AとBの2入力を接続するか、一方を1に吊り上げると、インバーターとしても使います。二つのゲートを直列接続すると単なるバッファにもなります。上例のRS-FFにも無論変形可能です。

1入力でもLになれば出力がHになるため、「負入力のOR」として使うこともできます。



◆ 74HC04   HEX INVERTERS



04は、6個入りインバーターです。



◆ 74HC06   HEX INVERTER BUFFERS/DRIVERS WITH OPEN-COLLECTOR, HIGH -VOLTAGE OUTPUT



06は記号上では04と同じインバーターのように表される場合が多いのですが、少々特別な働きを持つゲートです。
回路のOutput 部分を見るとわかるようにドレイン(コレクタ)端子が開放状態で出ているのです。このため、単にこの出力を次のゲート入力に接続しても動作はできません。正常に作動させるためには、1本の抵抗でVccへ吊り上げる(プルアップ)するなどの工夫が必要です。プルアップ抵抗は10kΩ程度を使います。

オープンコレクタの用途は二つあって、そのひとつは、複数ゲート出力を1本にまとめられる点です。通常のトーテムポール出力型のゲートは複数の出力を並列接続してしまうと、H出力のゲートからL出力のゲートへと短絡電流が流れ、ショート状態になってしまうため、動作させることができません。場合によっては素子が破損してしまいます。しかし、オープンコレクタは複数の出力を接続しても平気です。そして、1本でもLが入力されると、出力にLが得られる回路となります。

もう一つの用途は、電圧変換です。ゲートIC自体は5Vでも06を使うことで、最大40Vの出力を制御可能となります。許容電流内であれば、24VリレーのON/OFFなどができる訳です。なお、電圧だけでなく、Lで吸い込める電流(シンク電流)も通常のゲートより大きいため、大きな電流を必要とするLEDのドライブなどにも使います。



◆ 74HC07   HEX BUFFERS/DRIVERS WITH OPEN-COLLECTOR, HIGH -VOLTAGE OUTPUT



74HC06と似ていますが信号を反転しません。レベルを変換するレベルシフターとして使います。



◆ 74HC10   TRIPLE 3-INPUT POSITIVE-NAND GATE



3入力 NANDです。



◆ 74HC14   HEX SCHMITT-TRIGGER , INVERTERS



シュミットトリガー機能のインバーターです。ゲートの内部で正帰還がかけられているため、一旦出力が変化すると、少し入力レベルが戻っても出力が変化しないスナップ効果があります。
フォトセンサーのアナログ信号を取り込む場合や、雑音を入り難くするために使います。



◆ 74HC21   DUAL 4-INPUT POSITIVE-AND GATES



4入力のANDゲートです。



◆ 74HC30   8-INPUT POSITIVE-NAND GATE



例えば、データ 0xFC でアクティブ L になる出力を得るには、GとHの入力にインバーターを入れます。



◆ 74HC32   QUADRUPLE 2-INPUT POSITIVE-OR GATES



OR ゲートとして使いますが、負論理入力のNANDにも使えます。



◆ 74HC42   BCD-TO-DECIMAL



A0〜A3 の2進化10進コード(0000〜1001)を、Y0〜Y9の中の1本へL出力します。



◆ 74HC73   DUAL JK FLIP-FLOP WITH CLEAR




クロックパルス(/CP) ↓で動作するJK型FFです。
JとKに反対論理入力を加えた状態でクロックを入れると、データをラッチ取り込み。
JとKを共にHにすると、クロックで出力を反転。プリスケール(分周)に使うことができます。
LTspiceでデジタル回路参照



74HC74 DUAL D-TYPE POSITIVE-EDGE-TRIGGERED FLIP FLOPS WITH PRESET AND CLEAR



クロックCKの前エッジでデータDを取り込みラッチするFFです。プリセット、クリヤ端子付きです。
73同様、プリスケールにも使えます。


◆ 74HC76   Dual JK Flip-Flop. With Set and Reset



クロックの後ろエッジで動作するJK-FFで、セット、リセット端子が付いてます。



◆ 74HC86   QUADRUPLE 2-INPUT EXCLUSIVE-OR GATES



XORゲートは、二つの信号が異なっていることを検出する回路などに使います。
入力がAで、出力Yのゲートと考えれば、Bを1にすれば、インバーターになり、Bが0ならバッファになります。



◆ 74LS90  DECADE COUNTERS



リップルキャリー型カウンタですが、内部は(1/2)と(1/5)のカウンタに分かれています。
QA を INPUT B へ接続すると、10進カウンタとして動作するため、周波数カウンタなどに使われます。



74LS91    8-BIT SHIFT REGISTERS



AあるいはBに入力したデータをクロックに同期して右シフトして行き、出力します。
データの遅延やシリアルデータのメモリとして使います。


◆ 74HC93   4-BIT BINARY COUNTERS



4ビットの2進リップルキャリー型カウンターです。
MR1 AND MR2 = 1  でリセットされます。
CP0のFFの出力はQ0に単独出力していますが、CP1のFF以降の3つのFFは内部でシリーズ接続されてQ1〜Q3へ出力されています。4ビットカウンターにするためには、CP0にクロックを入れ、Q0をCP1へ接続します。



◆ 74HC126   QUADRUPLE BUS BUFFER GATES WITH THREE-STATE OUTPUTS



OEをHにすると、バッファは出力が有効になりますが、Lの時はハイ・インピーダンスになります。
バスラインへ接続する出力につかいます。
なお、74HC125はOEが負論理入力のタイプです。



◆ 74HC138  3-TO-8 LINE DECODERS / MULTIPLEXERS



A0〜A2に入力したコードにより、Y0〜Y7の8ラインのうち1本をLにします。E1〜E3はイネーブル条件です。
メモリのチップ・イネーブルなどの用途に使われます。



◆ 74HC139  DUAL 2-TO-4 LINE DECODERS / MULTIPLEXERS



A、Bに入力したコードで、4ラインから1ラインをLに選択します。ENABLE機能があります。
メモリのチップ・イネーブルなどの用途に使われます。



◆ 74HC151   1-of-8 DATA SELECTORS



I0〜I8の中から、Sで指定する1本の信号を、Yに接続します。 /Eはイネーブルです。



◆ 74HC153  DUAL 4-TO-1 LINE DATA SELECTORS / MULTIPLEXERS



 I0〜I3のうちの1本を、 S0 S1 で指定して Y に接続します。 Eはイネーブルです。


◆ 74HC154    4-TO-16 LINE DECODERS 



A0〜A3 のバイナリコードから、1本のY出力をLに出力します。
メモリのチップ・イネーブルなどに使います。



◆ 74HC157  QUAD 2-TO 1-LINE DATA SELECTOES (NON INVERTED OUTPUTS)



4回路の、入力0または入力1の何れ一方の信号を、Sで選択してYへ出力するセレクターです。



◆ 74HC161  SYNCHRONOUS 4-BIT COUNTERS



4ビットの同期カウンタ
MRはCLEAR、 CPはCLOCK、 SPEはLOAD、 TCはLIPPLE CARRY OUT
P0〜P3 はプリセット入力です。
リプルカウンタは動作中のカウンタ値を読み出すと、不正確なデータになってしまう場合がありますが、同期カウンタはその心配がありません。



◆74LS164   SERIAL-IN PARALLEL -OUT SHIFTREREGISTERS



シリアル信号AまたはBをクロックパルスCP↑のタイミングで取り込みながら、次々と右側のFFに送ります。
8ビット・シリアルデータをパラレルデータに変換するために用いられます。
MRがLで全FFがクリヤーされます。



◆ 74LS165   PARALLEL-IN SERIAL-OUT SHIFT REGISTERREGISTERS


8ビット-パラレル信号(A-H)をシリアル信号Qに変換するシフトレジスターです。



◆ 74LS181 ARITHMETIC LOGIC UNITS/FUNCTION GENERATORS

74181は歴史的に有名な4ビットスライス演算ユニット(ALU)で、かつて多くのミニコンがこのデバイスを用いて設計製造されましたが製造中止以降、ネットや在庫販売ルートでしか入手することが出来ません。

入力キャリーを含む入力A3〜A0とB3〜B0の演算結果がF3〜F0と出力キャリーに出力されます。演算条件はS3〜S0とMで指定します。有用とは思われない演算もありますが、加算、減算、NOT、AND、NAND、OR、NOR、XOR、デクリメント、A plus A を使う左シフト、値のスルー などが可能です。


ABはXOR、AB はAND、A+B はOR、A plus B は加算、A minus B は減算。

S3〜S0に演算条件をセットし、負論理(L=1、H=0)でAとBに入力すると、結果がFに負論理で出力されます。入力キャリーCnと出力キャリーCn+4は正論理(H=1、L=0)です。PとGは通常使用しません。

例えば、負論理の加算(Plus)は、S3〜S0 に HLLH をセットし、M=L、下からのキャリーが無い場合はCn=L として、
A0〜A3とB0〜B3に負論理で入力すると答がF0〜F3に負論理で、桁上げはCn+4に正論理で出力されます。

同様にA-Bの減算は、S3〜S0 に LHHL をセットし、M=L、Cn=H (Cnを1にして+1に補正します)。

また、論理演算でAの反転は、S3〜S0 に LLLL をセットし、M=H として、
例えばA0〜A3にLLHHを入力すると、B0〜B3とは無関係に、F0〜F3にはHHLLが出力されます。

注)74181の機能はかなり複雑です。左表のActive LOW は入出力とも負論理の動作ですが、右側のActive HIGHの表は正論理として見た場合の解釈です。単なるANDゲートも論理を裏返して見た場合「負論理入力で負論理出力のORゲート」になるように、この74181も論理を裏返して見ると左と右の表のように大きく異なった機能となります。
ピン名称は、1pin:/B0、2pin:/A0、9pin:/F0  のように表記されているので、この74181は負論理入力の負論理出力として、左側の表(Active LOW)のみで考えた方が混乱しないでしょう。


下の74181のシンプルな回路構成は芸術品と評され、CPU始め論理回路設計の手本として高く評価されています。

例えば、S0〜S3にHLLHを入力すると、(図下方の番号)4列目のXORゲートには、AとBがそのまま接続されるため、キャリー無しの1ビット加算が実行されて、7列目の加算回路と合わせるとキャリー付の全加算が実行されます。5〜6列目は各桁のキャリーを同時に実行するキャリールックアヘッド回路。
論理計算はモードMをHにすることで全キャリーが禁止されています。



◆ 74HC191  SYNCHRONOUS UP/DOWN COUNTERS



同期型の4ビット・バイナリカウンタです。D0〜D3でプリセットができ、UPかDOWN かを選択することもできます。



◆ 74HC194  4-BIT BIDIRECTIONAL UNIVERSAL SHIFT REGISTERS



4ビット 双方向 シフトレジスタ です。
パラレルデータとシリアルデータに相互変換することができます。
CLR=LでQA〜QDをクリヤ。 
 S1 S0 で動作モードを指定します。
 H  H  A〜DのデータをQA〜DDへロード
 L  H  Rからデータが読み込まれ、右シフト
 H  L  Lからデータが読み込まれ、左シフト
 L  L  ホールド
CLOCK ↑で動作します。



◆ 74HC244  OCTAL LINE DRIVERS , 3-STATE OUTPUT



8回路入り 3ステート出力のドライバーです。バスラインへの入力などに使います。


◆ 74HC245  OCTAL BUS TRANCEIVERS , 3-STATE OUTPUT



8回路、双方向 3ステート出力 バスラインドライバーです。DIRで方向を決めOEで出力有効です。


◆ 74HC247     BCD-TO-SEVEN-SEGMENT DECODERS/DRIVERS



BCDコード入力で、7セグメントLEDを点灯します。



◆ 74HC283  4-BIT FULL ADDERS

  

4ビットのキャリー付き、全加算器です。



◆ 74HC365   HEX BUS DRIVERS, 3-STATE OUTPUT



6回路入り、3ステート バスドライバーです。



◆ 74HC373   OCTAL D-TYPE LATCHES, 3-STATE OUTPUT.



8回路入り、3ステート出力のDラッチです。
LE(ラッチ・イネーブル)をHにしてDを取り込みQへ出力します。/OEをHにするとQは切り離され、ハイインピーダンスになります。
ポートの拡張などに使用することができます。



◆74HC374   OCTAL D-TYPE FLIP-FLOPS, 3-STATE OUTPUT



8回路入り、Dタイプのフリップフロップ 、3ステート出力です。
入力信号をラッチするのに使います。



◆ 74HC377   OCTAL D-TYPE FLIP-FLOPS



8回路 D-FF 
CPの↑でDを取り込みQへ出力します。
出力ポートとして使うことができます。



◆ 74HC541  BUFFERS INPUT, 3-STATE OUTPUT.



8ビット ゲート付き、 3ステート出力バッファです。
入力をバスラインへ接続する場合などに使用します。



◆ 74HC4066    QUAD BILATERAL SWITCHES



4回路入り、双方向アナログスイッチです。
I/Oのラインは、アナログ電流をどちらの方向にも流すことができます。制御信号CでアナログラインのスイッチをON/OFFします。





4000シリーズCMOS ロジックIC

汎用ロジックICといえば74シリーズということに相場が決まっているのですが、4000シリーズを無視することはできません。
4000シリーズは元々RCAが開発したロジックICシリーズですが後発の74シリーズに負けてしまったとはいえ、74シリーズに無い独特の特性を持っているため、一部のICは依然重要な位置を占めています。テキサスインスツルメンツのCD4000や、東芝のTC4000シリーズがよく知られています。

その特徴は、
 電源電圧が3〜18Vと広い
 比較的動作速度は遅い
 スレッシュレベルが1/2電源電圧なので、ノイズマージンを大きくとれる。
 消費電力が小さい
などです。このため、乾電池用途に適し、増幅回路など、アナログ的な用途にも使われます。
以下のICは比較的よく使われる汎用ゲートで価格もほとんどは数十円程度です。


4001


4007


3組のN-MOSとP-MOS FETのペアーが組み込まれています。
パッケージ内の接続を整理すると上のテストサーキット図のようになります。
デジタル回路のゲートとしてではなく、アンプなどアナログ回路としても使われます。



4011

よく使われるICです。


4030


AとBの論理が異なっているときだけHが出力されます。


 4049 4050


6個入りインバーターとバッファです。


 4066

コントロールがHで双方向に導通するアナログスイッチです。


◆ 4071



4081




◆ 4093


NANDのシュミットトリガ  センサ入力などに使われます。

◆ 40106


シュミットトリガ インバーター。フォトセンサーのアナログ信号を取り込む場合や、雑音を入り難くするために使います。








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