良く使う 機械公式 電気公式 


〔使う単位について
現在よく使われている単位は、KMS系と呼ばれ、質量がkg(キログラム)、長さがm(メートル)、時間がs(秒)です。これに電流のA(アンペア)を加えて、KMSA系と呼ばれる場合もあります。
この単位以外にも多くの単位が使われますが、それらは上の基本的な単位を組み合わせて作られています。
なぜ、質量だけが1000倍を意味するキロを使っているか、疑問ですが、それは単に慣習の問題のようです。精密な測定をする場合はKMS単位は大き過ぎるということで、(センチメートル、グラム、秒)のCGS系も使われます。


〔桁の表現〕
数値を扱い易い桁に納める方法としては、12.7×1010 のように、仮数×指数 にする方法がありますが、一般的には キロ=1000倍 のように倍率の呼び方(接頭辞)が決められています。

1024 Y    yotta  ヨタ
1021 Z    zetta  ゼタ
1018 E    exa   エクサ
1015 P    peta  ペタ
1012 T    tera  テラ
109  G   giga   ギガ
106  M   mega  メガ
103  k    kilo   キロ
102  h    hecto  ヘクト
101  da    deca  デカ

10-1  d    deci  デシ
10-2  c    centi  センチ
10-3  m   milli   ミリ
10-6  μ   micro  マイクロ (u)
10-9  n    nano  ナノ
10-12  p   pico   ピコ
10-15  f    femto  フェムト
10-18  a    atto   アト
10-21  z    zepto  ゼプト
10-24  y   yacto  ヨクト

寸法の単位1(m)を使って極大と極小の世界を見てみると、
 宇宙の直径:  9×1026m
 クォ−クの直径: 1×10-18m
と、少し偏ってはいますが、yottaからyactoの接頭辞があれば略同程度の目の粗さで大きさを捉えることができそうです。


〔桁の操作〕
(1)時定数や振動などの計算の乗算式は、k(キロ) × m(ミリ) または M(メガ) × μ(マイクロ) のような組み合わせにしてから計算すると、桁の単位を打ち消すことができます。
 例) 2k×0.8m=1.6
    0.01M×33μ=0.33

この延長で、
 k × k = M
 μ × μ = p
 1 / m = k
 1 / μ = M
 k / m = M
 μ / m = m
など代表的な桁操作に馴れておくと便利です。


(2)乗除項数が多い場合、0.999×10N〜1.00×10N のように、仮数をなるべく1に近い数値にしてから計算すると桁数の増加を押さえることができます。最後に普及している接頭辞の桁にします。

例えば、76000×570000=0.76×105×0.57×106≒0.43×1011 =43×109

(3)有効桁数を越える計算は意味がありません。
最も低い有効桁に合わせて、有効桁以下は四捨五入して計算します。

   85.7□    有効3桁    85.7
+   1.0264□ 有効5桁 → + 1.03
 --------          ------
   86.7264 有効3桁       86.73 → 86.7

   24.89□  有効4桁    24.9
 × 6.82□  有効3桁  ×  6.82
 -------           ------
  169.7498 有効3桁 →  169.818 → 170


〔数値解析〕
公式があって、その公式を使って、一発で計算できる場合は良いのですが、それができない場合は数値解析法が使われます。

電気回路であれば回路シュミレーター、構造の変形であれば有限要素解析などがそれに当たります。
回路シュミレーターは、部品ごとに入出力の計算を繰り返すことで、回路全体を模擬動作します。
有限要素解析は、構造を自動的に四面体のような部分構造に分解し、各要素に加わる力による小さな変形の積み重ねで全体の変形を求める手法です。

さらに基本的な手法としては、ニュートンの運動方程式や、回路動作の微分方程式を立て、エクセルの数値解析やプログラミング言語による解析プログラム使って計算する方法があります。



〔ベルト長さ、スプリング、はりのたわみ〕
これらのよく使う計算はそれぞれ専用のプログラムを利用してください。
ベルト長さ計算
スプリング計算
はりのたわみ計算







◆密度 〔g/cm3
 鉛            11.4
 アルミ           2.7
 鉄             7.8
 銅             8.9
 ポリカーボ        1.2
 ポリエチレン       0.9
 ポリアセタール(POM) 1.4
 塩化ビニール      1.3
 コンクリート       2.3
 土             2.0
 砂             1.9
 杉、檜           0.4
 樫             0.9


ニュートンの運動方程式(第2法則)

  質量  =  物体に働く力  / 加速度
   m〔kg〕 =   F〔N〕 / α〔m/s2

  書き換えると、
  F = m ・α
     F: 力(ニュートン) 〔N〕
     m: 質量〔kg〕
     s: 時間(秒)〔s〕
     α: 加速度(秒あたりの速度の変化) 〔m/s2

  加速度αは1秒当たりの速度の変化なので、
    v:速度〔m/s〕  位置:x〔m〕 を使えば
 

1N(ニュートン)の力は、質量1kgの物体の速度を、毎秒1m加速する力です。
これがニュートンの第2法則です。質量mの物体に力Fを加えると、力に比例した加速度αが発生します。

アイザック・ニュートン (Issac Newton) [1643-1727]以前は、力が無くなると運動はそのうち停止してしまう、くらいにしか認識されていませんでした。今でも我々は、力というと、「押す力、引く力、バネの力」のように静的な状態を考えがちです。ニュートンは、「力」と「加速度」と「質量」という三つの物理量を、F=mα という物理学上で最も簡潔な式に昇華させました。

この式は実に不思議な関係式です。質量を時間と距離で説明し、時間を質量と距離で説明する、という具合に、一つの概念を他の二つの概念で説明し合うという、厄介な存在でありながら、圧倒的に強力な物理法則としての座を占めるに至ったのです。

同時に彼は、短い時間に起きる変化を積み上げることで、未来に渡る物理現象を記述する微分積分法をも世に送り出した史上最も偉大なの物理学者といえます。


なお、万有引力(これもニュートンの業績)が物体を引き寄せる力は「重量(重さ)」と呼ばれ、「質量(物質の量)」とは区別されています。1kgの質量が標準重力下で受ける重力の大きさが 1重量キログラム(1kgf キログラム.フォース)。 

標準重力は、北緯45°平均海水面とされ、そこでの重力加速度が、 9.8066m/s2 なので、

   1kgf=9.8066 N
   1N = 102 gf

となります。同じ質量の物体でも、測定する緯度や高度によって、その重さは違ってしまいます。肉くらいでしたらバネ秤で計っても問題はないでしょうが、高価な貴金属は重さで測るのは適当では無いということになります。



モーメント
  M = F・r 
   M:モーメント 〔N・m〕 
   F:力 〔N〕
   r: 支点-力点の距離 〔m〕

 モーメントは回転させる力です。回転中心から作用点までの距離(テコの長さ)が2倍になると回転させる力も2倍になるから、モーメント=力×腕の長さ です。



慣性モーメント
  I = Σm ・r2   〔N・m2〕 慣性モーメント
   I: 質量の慣性モーメント 〔N・m2
   m: 部分の質量 〔kg〕
   r: 部分の回転軸からの距離 〔m〕

 円柱/円盤   I = m・R/2      m:質量 R:半径
 環        I = m(R+r)/2  m:質量 R:環の外半径 r:環の内半径

直線運動の場合、質量が物体の運動を持続させようとする作用は「慣性」と呼ばれますが、コマのように回転する運動にも、質量は慣性作用を発生させます。これを「慣性モーメント」といいます。慣性モーメントは、回転を持続させようとする効果の大きさ、言い換えれば「回転の重さ」です

回転運動の場合の慣性の大きさは、質量に加え、回転中心か質量までの距離(回転半径)が影響を持ってきます。腕の長さが2倍になると、テコの原理で力が2倍になり、かつ、速度変化の割合も2倍になりますから、回転軸から見ると回転の重さ(慣性モーメント)は4倍になります。これが半径の2乗の項が入ってくる理由です。同じ重さのバットでも、3cm程バットを短く持つだけで慣性モーメントは約1割も低下するため、素早く振ることができるという訳です。

どんな形状の回転体でも、慣性モーメントは小さな部分質量の和(Σ)として表せますが、円柱や環は上記積分公式で扱うと便利です。




回転の運動方程式
 T = I・α
   I: 慣性モーメント〔kg・m2
   T: トルク〔N・m〕
   α: 角加速度〔rad/s2

ニュートンの運動方程式を回転に適用したものです。
力Fに替え、回転半径1mに換算した回転力のトルクT
質量mに替え、慣性モーメントI
角加速度は1秒あたりの回転角度の増分である角加速度を使います。ただし 1rad = 180°/π ≒57.3°

回転角をθラジアンとすると

によって、回転速度の変化と、トルクの大きさの関係を計算することができます。


なお、トルクのN表記とkgf表記の関係は

 1kgf・m ≒ 10 N・m
 1kgf・ cm ≒ 0.1 N・m = 100 mN・m




等加速度運動



   a: 加速度 〔m/s
   v0:: 初速度 〔m/s〕
   v: t秒後の速度 〔m/s〕
   t: 時間 〔s〕
   S: 移動距離 〔m〕

加速度の単位は、1秒あたり〔1/s〕の、速度〔m/s〕 の測定値だから、 (1/s)(m/s)=m/s2 
初期値の影響を除く等加速度運動の運動距離は、
  距離=平均速度×時間
  =(最高速度×時間)/2
  = (加速度×時間×時間)/2



角運動と角加速度
 θ =ω・t  〔rad〕
 ω=ω0 + α・t  〔rad/s〕
 θ=ω0・t + α・t2/2   〔rad〕
 1°=π/180 〔rad〕
 1rad=180/π (°)
   θ: 角度 (rad)
   ω0:: 初期角速度
   ω: 角速度 〔rad/s〕
   α: 角加速度 〔rad/s2〔〕
   t: 時間 (s)



遠心力
 F=m・v/r  〔N〕
   r: 運動半径 (m)
   v: 線速度 〔m/s〕
   m: 物体の質量 〔kg〕
   F: 遠心力 〔N〕
   ω: 角速度 〔rad/s〕


なぜ遠心力は速度の二乗に比例するのか?
遠心力の大きさが質量に比例し、回転半径に逆比例するのは納得できるが、速度の二乗に比例する理由は直感からは出てこない。何故なのだろう?
質量mが、o を中心に半径 r 、速度 v で回転するものとする(下図)



質量mが水平方向に運動すれば加速度は発生しないが、円運動の場合は微小時間Δt後には、角度θだけ図の下の方向にへずれ、結果、赤い矢印αで示す大きさの加速度が生じる。
A点にある質量がΔt秒後にはB点、2倍のΔt秒後にC点まで運動する時、三角形OABと三角形OBCは合同であり、速度 v が2倍になると、直線運動の長さが2倍で、角度が十分小さい場合はθの値も2倍になるため、加速度αの大きさは4倍、つまり二乗になる。
なお、図は回転角を大きく表現しているため、力Fと加速度の向きがずれているが、力と加速度の向きは、ちょうど反対方向になる。

ところで、円運動の加速度にはこのように二乗の関係が出てくるが、これを逆に見ると√が出てくる筈である。別項の振動周期との関係を考えてみるとおもしろい。



運動量
 p=m・v  
   p: 運動量 〔kg・m/s〕
   v: 線速度 〔m/s〕
   m: 物体の質量 〔kg〕



仕事量
 W = F・s
   W: 仕事量 〔J〕 (ジュール)
   F: 力 〔N〕
   s: 距離 〔m〕



仕事率
 P=W/t
   P:仕事率 〔W〕 ワット
   W: 仕事量 〔J〕 
   t:時間〔秒〕



エネルギ
重力による位置エネルギ
 E = m・g・H
   E: 位置エネルギ〔J〕
   g: 重力加速度 〔9.8m/s
   m: 物体の質量 〔kg〕
   H: 高さ〔m〕

ひずみエネルギ
 E = k・s2 / 2
   E:ひずみエネルギー〔J〕
   k: バネ定数〔N/m〕
   s: ひずみ距離〔m〕

運動エネルギ
 
   E:運動エネルギ〔J〕
   m: 物体の質量 〔kg〕
   v: 速度〔m/s〕



運動量と運動エネルギの違い
英語でも、運動量はmomentum(勢い)、運動エネルギはkinetic energy(動的なエネルギ)と、やはり分かり難い表現になっています。ふたつの違いはどこにあるのでしょうか?

まず、運動量。 これも多分ニュートンが着目した概念です。

 

式@はニュートンの運動方程式において、物質の速度だけでなく、質量も一定値に固定しない場合は、どうなるかを調べたものです。
式は、質量mと速度vを乗じた(mv) という値を一つの量 p と考えれば、その単位時間における変化量が力Fになることを示しています。この物理量 p が「運動量」です。

具体的な例が、2行目の式、および、その下の、2物体の衝突を示す図です。
複数の物体が衝突したり、合体した場合でも、「全体の運動量は保存される」という重要な法則がここから導かれます。無論、熱エネルギーや他のポテンシャルエネルギーに変換されないという条件が付きます。


運動量が、その”瞬間”の質量と速度が持つ”勢い”を表しているのに対し、ある時間と距離に渡って、質量に力が作用した場合、ここに流入または流出されるエネルギの量が運動エネルギです。

ところで、「エネルギ」が出てくると、「仕事量」のことも言及しない訳にはいきません。ふたつは同じ単位”ジュール〔J〕”で測られます。この二つは同質のものですが、例えば、同じ単位である「円」も資産であったり、現金であったり、負債として扱われるのと似ています。仕事量は現金的な使われかたで、エネルギは資産的な場面で使われることが多いという違いがあります。

さて、
    仕事量〔J〕=力〔N〕・距離〔m〕

なので、まず、距離を考えてみると、



速度が一定なら、距離は上図のピンクの長方形部分の面積になりますから、

 s = v・t

と簡単ですが、物体に一定の力が加わると、下のグラフのように、速度は直線的に上昇します。これを等加速度運動といいます。



移動距離s は、(時間×速度)ですから、速度が

 速度v = 加速度α× 時間t

のように変化する場合は、移動距離は上の三角形の面積のように変化することになるため、距離sは、

 

となります。

一方、力Fは、 F=m・α ですから、

 仕事量=力・距離

は、結局

 
ということになり、更に、α・t は、速度v のことですから、仕事量をエネルギE〔J〕と呼べば

〔J〕

が得られます。
運動量は速度に比例するのですが、運動エネルギは速度の二乗に比例することがわかります。


【エネルギーと運動量の関係】
エネルギーは
運動量は  p = mv  、つまり v = p/m  なので


これがエネルギーと運動量、そして質量との関係ということになります。


エネルギーの保存
外部から供給されるエネルギーが無く、熱エネルギーの損失も無視できる場合、

 運動エネルギー + ポテンシャルエネルギー = 一定

落体の初速度と慣性モーメントが無視できる程度小さい場合は次のようになります。



位置ごとの傾斜が分かれば、上の条件式を使って、速度と位置を追跡計算することができます。

重力落下ではなく、他のポテンシャルエネルギーの場合も基本的な考えかたは同じです。



単振動
 T=2π/ω [s]
 N=1/T=ω/2π

 T:周期[s]
 N:振動数[Hz/s]
 ω:円運動角速度[rad/s]

 F=ma=-mω2x

 F:力[N]
 m:物体質量[kg]
 a:加速度[cm/s2]
 x:変位量[cm]



ばね振動周期
 T=2π√(m/K)
   K:ばね定数〔N/m〕



動力(仕事率)
 P = A / t = F・v
   P: 動力 〔N・m/s〕
   A: 仕事〔N・m〕
   t: 時間 〔s〕
   F: 力 〔N〕
   s: 距離 〔m〕
   v: 速度 〔m/s〕

 ワット〔W〕、馬力、動力の換算
  1W = 0.102 kgf・m/s = 0.00136PS = 0.86Kcal/h
  1 kgf・m/s = 9.8W
  1PS = 75kg・m/s  =  0.736kW



回転の動力
 P = T・N/9549
  P:動力〔kW〕
  N:回転数〔r/min〕
  T:トルク〔N・m〕

9549という定数の中には円周率πと60秒が入っています。覚えやすくするため 9550 でも構いません。


例えば、装置に採用するモーターを選定する際は、負荷トルクがわかれば即、上の換算式から必要なW数が算出できます。負荷は、ポテンシャル性負荷(慣性、バネ、重力)のように計算できるものと、計算だけでは求められない摩擦負荷(摺動摩擦、ベルトなどの伝導摩擦など)がありますが、困難なのは後者で、分からない時は類似した既存の機構の主だった負荷を実測し、それを元に負荷トルクを推測します。
 装置の電源を決定する場合は、機械的に必要な動力(W)、回路系の発熱(W)、動力と電源の効率を考慮します。 機械動力負荷が25W、モーターの効率90%、回路発熱が5W、スイッチング電源効率が75%の場合、機械動力系に2倍程度を余力を見ると、((25×2÷0.9)+5)÷0.75≒81 よって、出力80W程度の電源が必要ということになります。24Vなら3.3Aです。


ちなみに各種機器効率
ガソリンエンジン: 約30%
ディーゼルエンジン:約40%
モーター:80〜90%
スイッチング電源:75〜80%
平歯ギヤ:98〜99.5% (軸受けを含まず)
ギヤヘッド:約90%/1段 (含む軸受け)
ウォームギヤ:30〜90%
Vベルト:90〜94%
歯付きベルト:92〜96%




すべり摩擦係数
摩擦係数 μ= 摩擦力/荷重
摩擦係数は、摩擦係数を測定する材質からなる斜面に、測定するもう一方の材質のおもりを置き、傾斜角を増していった時、滑り始める角度を測定することで得られる。摩擦係数は、おもりの質量に関係ない値 μ=tanΘ となる。
滑り始めの値が静止摩擦係数、停止する値が動摩擦係数と考えることができる。






摩擦係数一覧
対鉄
 鉄:      0.52
 炭素:     0.15
 アルミニウム:0.82
 チタン:    0.59
 銅:      0.46
 亜鉛:     0.50
 鉛:      0.52
 金:      0.54
 タングステン:0.0.47
 錫:      0.29
 銀:      0.32
石/石:         0.6〜0.7
石/金属:       0.3〜0.4
木/石:        約0.4
ゴム/ゴム:      約0.5
ナイロン/ナイロン: 0.15〜0.25
テフロン/テフロン: 約0.04
ガラス/ガラス:   約0.7
銅/ガラス:      約0.25





ギヤのアンダカット限界歯数
 Z = 2 h / (m・sin2 A)
  h: 歯末のたけ(歯先円半径とピッチ円半径との差)
  m: モジュール
  A: 圧力角
  Z: 限界歯数



転位係数
 X ≧ 1 - 0.5Z sin2A
  A: 圧力角
  Z: 歯数
  X: 転位係数
 アンダカットを防止するためにはXmだけずらして歯切りする。



<ニュートンの第2法則以外の法則>
ニュートンが注目したした力学の法則はどれもシンプルでつまらない法則にしか思えない。しかし突っ込む程に、それは悪魔の法則に見えてくる。


ニュートンの第1法則(慣性の法則)
物体に力が働かない場合、その物体は等速運動する。
これは、第2法則で F=0 、従って α=0 の場合です。


ニュートンの第3法則(作用反作用の法則)
物体Aから物体Bに力を加えると、物体Bから物体Aに、同じ作用線上で、大きさが等しく、反対向きの力が働く。

その他のニュートンの力の法則

力の3要素は 「力を受ける作用点」、「力の方向」、「力の大きさ」


作用線:作用点を通り、力の方向に延びた直線

作用線の定理:力の大きさと方向を変えない限り、力を作用線上の任意の位置に移動しても効果は同じ。  → 重さの無いワイヤーや、棒を使って作用点から遠く離れた位置から、作用線に沿って力を与えても、同じ効果が得られる



力の平行四辺形の法則:




◆レンズの公式




1/a + 1/b = 1/f
  f:焦点距離

倍率=b/a






オームの法則
 電流I(A) = 電圧V (V) / 抵抗R(Ω)
 V = I・R
 R = V / I



抵抗値
 直列抵抗 R = R1 + R2
 並列抵抗 R = R1・R2 / (R1+R2)



電力、発熱量
 1V × 1A × 1s = 1J = 1W・s       
 電力 P(W) = 電力量W(J) / t(s) = V I
 1Wh = 3600 Ws = 3600J
   J:  熱エネルギー 〔J〕
   W:  電力量 〔W〕
   s:  時間 〔S〕



LC共振周波数
 f = 1/(2π√(L・C))
   f:周波数 〔Hz〕
   L:インダクタンス 〔H〕
   C:容量  〔F〕



ゲイン(利得)
 電流ゲイン = 20log10(Iout/Iin)
 電圧ゲイン = 20log10(Vout/Vin)
 電力ゲイン = 10log10(Pout/Pin)



交流電力
 P = V・ I・ cosφ      cosφ:力率



静電容量
 C = Q / V
   C:容量(F)
   Q:電荷(クーロン)
   V:電圧(V)

 平行板の静電容量
  C=8.86×10^-12 ε・S/t
  ε:誘電率
   S:面積(m^2)
   t:間隔(m)



コイルの磁界エネルギー
  W = L I2 / 2
   W:: エネルギー 〔J〕
   L: インダクタンス〔H〕
   I: 電流〔A〕



コンデンサの電界エネルギー
 W = C V2 / 2
   W:: エネルギー 〔J〕
   C: キャパシタンス〔F〕
   V: 電圧 〔V〕



コイル自己インダクタンス
  L = k μπ r2 N2 / l
    L: インダクタンス〔H〕
    μ: 透磁率   (真空の透磁率は 4π×10-7 = 1.257×10-6 H/m )
    r: コイル半径〔m〕
    l: コイル長さ〔m〕
    k:長岡係数  コイル直径/コイル長  で決まる係数
        (直径/長さ)の比    長岡係数
         10              0.2
          8              0.24
          6              0.28
          5              0.32
          4              0.36
          3              0.43
          2              0.53
          1.5             0.6
           1              0.69
          0.95            0.70
          0.55            0.8
          0.25            0.9
          0.1             0.96



クーロンの法則
  F = 6.33×104 m1・m2 /r2
    F: 力 〔N〕
    m1,m2 : 磁極の強度 〔Wb〕
    r: 距離 〔m〕



磁界の強さ
  H = m / 4πμr2    点磁界の強さ
  H = I/2πr        無限直線導体の周辺の磁界
    H:磁界の強さ 〔AT/m〕   
    m: 磁極の強度 〔Wb〕
    r: 距離〔m〕
    μ: 1.257×10-6 ×比透磁率(空気=1,パーマロイ=104、ケイ素鋼=103
    I:  電流 〔A〕



磁気吸引力
 F = B2 S /2μ
  S: 磁力面積〔m2
  B: 磁束密度〔Wb/m2
  μ: 透磁率 4π×10-7 H/m
  F: 力〔N〕


波動方程式

エネルギーが媒質の中を振動しながら伝播していく様は波動と呼ばれます。

媒質の微小部分に着目すると、その部分のニュートンの運動方程式は

 加速度=微小部分に加わる力 / 微小部分の質量

となるはずです。弾性のある棒のタワミを例に考えると、棒の微小部分の加速度の大きさは、その部分の変形により生じる力に比例し、単位あたりの質量の密度Mに反比例すると考えることができます。
変形で発生する力は弾力Tと呼ばれ、変形による「曲がりの大きさ」は「棒の勾配の変化率」ですから、方程式は以下のようになります。

 位置xのy方向への加速度 = (弾力/密度) ・ 曲がりの大きさ


撓みの大きい部分ほど戻ろうとする力、つまり加速度が大きくなります。
加速度が大きい部分ほど、速度の変化が大きいことになります。


下は棒に代わって、構成要素を微小な質量とバネで模した図です。
隣接するA,B,Cの質量がバネで結合されています。


質量Aに下向きの力を加えるとAは下向きに加速を開始、
バネ(A-B)が伸び始めて、質量Bに下向きの力が発生、
質量Bは下方へ加速を開始、
同様に質量Cが下方に加速し開始します。

A→B→C と伝わる質量の加速運動の連鎖は逆に C→B→A 方向にも伝わります。
これは1次元の波のモデルですが、二次元平面や、三次元立体でも同様のメカニズムで波動が伝播することになります。

このメカニズムでも判るようにニュートンの運動方程式においては、質量の慣性と、弾性が生む力が重要な働きを持っています。質量が無い媒質や弾性が無い媒質には波動が伴わないということになります。

境界があると波動が反射したり、波長と境界の長さによっては定在波が発生することも理解できます。
ロープ、水面波、音波、電磁波、から量子力学に至るまで、波動は広く見られます。



なぜ複素数?
数学では複素数が当たり前のように使われますが何故複素数なのでしょうか?

例えば、エネルギーが保存される場合、物体は位置エネルギーと運動エネルギーを合わせた量が常に等しくなるような位置と速度をとることが知られています。位置エネルギーを虚数軸Y、運動エネルギーを実数軸Xに取った場合、振動する物体の全エネルギーは円を描いて回転する複素数のグラに表すことができます。速度の運動エネルギーと位置のポテンシャルエネルギーは、全く異質なものにも係わらず、互いに存在の形を交代するのです。

これは電気の世界でも同じで、電気エネルギーは電圧と電流という二つのエネルギー形態を交換し合います。

こうした互いに変換可能な2種類の量をまとめて取り扱う場合に使う数学が複素数です。

数学で計算していると、負の平方根〔√(-1)〕という数が出てきてしまい、実在する数ではないため、虚数 i という記号が付けられましたが、この i は自分自身を掛ける毎に

  ┌  i ←┐
  ↓
  -1   0  1
         ↑
  └→  -i ┘


と、サイクリックに変化します。
また、x+yi のように実数+虚数の複素数にすれば、複素平面上の総ての値を表すことができます。

この複素平面では、掛け算は原点0,0を中心とした回転に加え、拡大縮小も表せることがわかったのです。

また、複素数 z=x+yi は、原点(0,0)からの距離を r 、x軸とベクトルz の回転角をθ(ラジアン)とすれば

 z=r(cosθ+isinθ)

のようにも表すことができます。
しかし、この複素数の三角関数は解かり易いのですが取り扱いが厄介です。
オイラーは三角関数の級数展開と指数関数の級数展開の類似性から、

 cosθ+isin=e   オイラーの公式

という関係を発見。これを使うと,、 z=r(cosθ+isinθ) は、

 z=reiθ      (eは自然対数の底:2.7182)

と書き直すことができます。
この表現を使うと、複素数zは、長さrで、角度θラジアンの複素ベクトルとなります。
従って、長さ1のπラジアン(180°)回転した複素ベクトルは

 e = -1

ということになります。
このオイラーの複素数はファインマンにより「人類の至宝」とまで評された優れた数学表現です。
この表現によれば、振動は、実数(x)軸に位置、虚数(y)軸に運動量を取ると、エネルギーはrで表すことができるといったように、広範囲の物理現象が極めて簡潔に扱えるようになったのです。

機械的な振動に限らず、電気的な現象も電圧エネルギーと電流エネルギー間の振動として、また、量子力学も調和振動子として扱うことができるため、オイラーが発見したこの複素表現は欠くことのできないものとなったのです。


蛇足かも知れませんが、複素数があるのなら、なぜ3素数や4素数は無いのでしょうか?
実は、天体の運行軌道を解く問題に、3体問題というのがあって、互いに影響を及ぼし合う三つの天体の軌道を解析する方法が長く追求されたのですが、ポアンカレによって、それが原理的に不可能であることが証明されてしまったのです。3つ以上の関連する量があった場合、バランスが取れる特定解を除けば、一般解を数式化することはできないということになります。
無論、近似的には数値計算できますから、当面の皆既日食の計算には問題ありません。
そんな訳で、i の他に別な素数記号は不要と言うか、役に立たない、と言うのが実情のようです。

しかし、電気エネルギーと磁気エネルギー、運動エネルギーポテンシャルエネルギーなどのように、多くの物理エネルギーは幸いなことに二つの相から出来ていたため、複素数という便利な数学を使うことができたということになります。めでたしめでたし





アクセスカウンター アクセスカウンター


                      Top page



 Top page
inserted by FC2 system